2010年03月25日

狩猟大全集 入門編 表紙 目次。



          狩猟大全集 入門編 目次。
1.はじめに、狩猟とは。 (2005スポーツガンガイドブックよりリトルケン作品)

2.カモ撃ちへの招待。(狩猟大全集ショットガン編より)

3.シカ猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)

4.各種散弾銃の特徴と筆者の愛銃。(狩猟大全集チャレンジ編より。)
   4-1.当たる銃と各型式の比較。  
   4-2.どんなスペックにすべきか?
   4-3.オートとスライドの切り替え式も使いものになりません。

5.各種狩猟の紹介。(狩猟大全集ショットガン編より)
   5-1.鴨撃ち。 その1:デコイ撃ち。 その2:忍び撃ち。 その3:その他の鴨の撃ち方。
   5-2.キジ撃ち。   5-3.キジバト撃ち。  5-4.タシギ撃ち。
   5-5.鹿猟。     5-6.猪猟。       5-7.ウサギ猟。
   5-8.タヌキ猟。   5-9.クマ猟&ヒグマ猟。

6.散弾とスラグ弾を如何に命中させるか。(狩猟大全集チャレンジ編より)
   6-1.見えている情報はリアルタイムではなく相当古い。  
   6-2.散弾銃の移動標的射撃。  
   6-3.ライフルやスラグ銃で静止目標射撃。

7.鴨撃ちと鹿撃ちの最適散弾粒サイズ。(狩猟大全集ショットガン編より)
   1.インプシリンダーの限界。  
   2.フルチョークの限界。
   3.鹿撃ちにこれを適用すると。(次期狩猟大全集より)

8.狩猟実戦ドギュメント。(狩猟大全集ショットガン編より)
   1.海軍橋の忍び撃ち。4人でオナガガモ32羽。
   2.底無し沼のデコイ撃ち。カルガモ4羽と10分に渡る勝負。  
   3.初めてシカを倒しました。  
   4.シカを撃墜。
   5.K生徒エゾ鹿超大物捕獲ドギュメント。(2009年度解禁猟のホームページより抜粋)

9.エゾ鹿用の銃。(狩猟大全集チャレンジ編より)
   1.エゾシカ猟に使えるサボットスラグ銃の口径は。
   2.ボルト、スライド、オート、どれが良いか。
   3.ライフル銃とサボットスラグ銃の比較。
   4.北海道出猟にはどの銃を用意したら良いか。

10.憧れのライフル銃。(次期狩猟大全集より)

11.アフリカ猟。(次期狩猟大全集より)

13.実銃に躊躇いを持っておられる方に。(次期狩猟大全集より)


  

Posted by little-ken  at 18:02ハンティング

2010年03月25日

1.はじめに。(2005年スポーツガンより、リトルケン作品)

狩猟と言うのは銃が狩をする訳ではなく、人間が狩をするのです。体力&五感共に野性鳥獣の方が遥かに上で、そのままでは殆んど野性鳥獣側の一方勝ちになってしまい、例え銃の助けを借りてもこの差は誤差範囲しか縮じまりません。この絶望的な困難に挑戦するのが狩猟であります。
物事は簡単過ぎると覚えるのも飽きるのも早いのですが、その点で狩猟はちょっと難しい分、生涯楽しめる数少ない本物のスポーツです。

獲物の種類によって難易度もかなり異なりますが、鳩や鴨をターゲットにするならば初心者にも楽しめます。しかし鹿や猪となりますとそう簡単には勝たせてもらえません。
しかしその難易度が高ければ高い程その達成感や満足度も高くなり、その喜びは何物にも換え難い程の大きな物になります。太古の昔も今も大物と勝負して勝った喜びは不変です。

今の日本に野性鳥獣と勝負出来る場所など残されているのかと心配される方もおられますが、意外にも撃てる場所も種類も量も多いのです。それはハンター1人当たりの面積で言っても銃天国のアメリカにすら負けないほど広く、四方を海に囲まれる我が国は不毛に近い地域が多い他国と違い獲物の種類も多く、狭い国土ながら捕獲量もハンタ-が少ないが故に決して負けていないのです。
  

Posted by little-ken  at 17:58ハンティング

2010年03月25日

2.鴨猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)


今日は待ちに待った狩猟解禁日、暗い内に戦闘配置に付きます。やがて待望の日の出です。
1群れの鴨が鳥屋(ここに隠れて鴨を待っている)に接近中、鴨は我々の待っている池に降りようとしていますが、安全確認の為に何回も旋廻しています。
鴨に気付かれない様に射手は動けません。長い場合は10分以上この状態が続きます。
この間に発見されれば鴨の勝ち、この勝負が鴨猟の醍醐味です。

石の様に動かないでいると数分後に鴨は速度&高度共に落として着水コースに入ります。この瞬間を待っていたハンターはここぞと行動を一斉に起こしスイング射撃に入ります。銃を止めない様に注意しながら銃身でカモを追い越して見えなくなった瞬間に連射します。
広い猟場に乾いた銃声が響きます。2発共命中。2羽のカモが弧を描いて落ちて来ます。


1991年愛知県豊橋市明海町の養殖廃池の解禁日は10年に1度の超大猟。
  

Posted by little-ken  at 17:55ハンティング

2010年03月25日

3.鹿猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)

これはグループ猟です。各自が打ち合わせの待ち場に着いた頃、猟犬が離されます。
まもなくシカは猟犬に発見され1度は現場を走り去り猟犬はそれを鳴きながら追跡します。鹿はその習性から山を大きく1~2度廻り、その後逃げる方向を決定します。その逃げ道を予測して射手が待つのがこの鹿の巻き狩りです。

射手は立ち木等を背に静かに鹿を待ちます。やがて30分もすると遠くに猟犬の鳴き声が聞こえ始めました。鹿の巻き狩りで1番興奮する時間です。
やがて「カサッカサッ」とかすかな足音が聞こえて来ます。まだシカは見えません。
やがて木々の間から接近して来る鹿が僅かに目に入りました。速足で10~20m歩くと立ち止まり気配を取っています。

2頭です。先頭のはかなりの大物です。少しでも動けば撃つ前に感付かれてしまいます。

本当はそれ程ではないのですが随分長い時間の様に感じます。もう心臓が口から飛び出そうです。それでもやがて鹿との距離は20mを切りました。
鹿は速足で歩いています。間もなく木々の切れ目になりそこが射撃ポイント。
今だっ。銃を肩に付けると同時に引き金を引く。谷間に雷の様な銃声が連続で轟きます。

銃を向けた途端に鹿は全速で走りました。1発目、命中。鹿は一瞬ビクッとしましたが走る速度は落ちません。2発目も命中、やや走行困難になった様です。3発目、命中と同時に動きが止まりそのまま前方回転に入りました。1回転半で鹿は止まりました。

鹿の動きが止まった頃、向い山から跳ね返った銃声が返って来ます。
やった、やりました、見事な3段角です。後方のもう1頭はこの間に方向を変え逃げました。私の銃はもう弾がありませんので見送ります。
しかし数分後に数百m離れた隣の待ち場でも銃が鳴り、そこで撃ち止められました。


1996年12月8日、愛知県額田町の山中にて。(2005年額田町は岡崎市に合併。)
  

Posted by little-ken  at 17:52ハンティング

2010年03月25日

4.各種散弾銃の特徴と筆者の愛銃。(狩猟大全集チャレンジ編)

ショットガンは使用する装弾の粒の大きさとチョーク(又は銃身)を交換すれば50m以下の距離と言う前提で小鳥からヒグマまでの国内の全ての狩猟鳥獣に対して使えます。
ハーフライフル銃身やサボット専用装弾を使えば100~150mもマンザラ夢ではありません。

ショットガンを最初に購入する時、多くの方がどの型式の銃にしようか迷われます。
なぜ迷うかと言えば1丁の銃で全てに使える様にと考えるからです。結論から言いますとこれはかなり無理な話で全ての用途を向く様にとするならば数丁は避け難いと言う事になります。一方でこれを扱う人間はそれほど器用ではありませんので相当な訓練をしていないとタイプの違う道具を扱い切れないのも事実です。

1.当たる銃と各型式の比較
命中率を良くする為には下記の方向にある銃が一般に良く当たります。
  1.ある程度長い銃。           
  2.ある程度重い銃。
  3.動標的にはスイングが止まり難い銃。   
  4.静標的には据わりの良い銃。

1-1.上下2連銃の特徴

    利点:耐久性に優れます。初矢(第1発目)の反動で銃の跳ね上がりが少ない。
       銃身が2本有る事により動バランスが良く引き止まりが起き難い。
    欠点:2発しか射撃出来ない。やや重い。やや高価となる。
  
結論として2発しか撃たないクレー射撃用として優れており、狩猟には余り向いておりません。

1-2.水平2連銃の特徴
    利点:軽量である。担ぎ易い。引き金が2本あるタイプは射撃不能になる確率が最も低い。
    欠点:2発しか射撃出来ない。反動が強烈である。
  
結論としてかつては軽量で担ぎ易い事からかつては猟犬を使った鳥猟に使われ、引き金が2本あるタイプは信頼性が高いとして大物猟に好んで使われておりましたが、現在では多くのメーカーが生産中止をしている状態です。

1-3.スライドアクション銃の特徴

    利点:3発撃てる。安価である。特殊部隊が多く使っておりカッコ良い。
    欠点:連発操作が難しい。稀に回転不猟を起こす。弾が入れ難く且つ抜き難い。
  
一見全ての用途に使えそうに思え、安価でカッコ良い事(と思われている)もあり近年人気は上がっているのですが、結論として次のオートを含めて4者の中では最もダメな銃なのであります。なぜダメなのかは後で詳しく説明します。

1-4.セミオート銃の特徴

    利点:3発撃てる。連射に集中出来る。2発装填がスライド式より遥かに早い。
    欠点:稀に回転不猟を起こす。スライド銃より多少高価である。

回転不猟が欠点に挙げられる事がよくありますが、よく整備しておけば数百発に1回以下であり、スライドアクションよりかえって回転率は高いのが本当の所です。連射時の特性も上下2連銃には少し負けますが他の3者の中では最高です。もし1丁で全てを済ませたいと思うのであれば絶対にこれにすべきです。
または最初の銃としてはこれにすべきでしょう。

2.どんなスペックにすべきか
誰が何時決めたのかスタンダードは銃身長は26インチ(1インチは25.4mm)、チョークはインプシリンダー(改良平筒)が常識とされておりますが、本当にそうでしょうか?

銃身長は18インチから2インチ飛びに32インチ程度まで各種があります。スラグ銃としては20~24インチ、散弾用として26~30インチの物が多く出回っております。
当たる銃としてはある程度重くて長い銃が引き止りが起き難く良好なのですが、一方で取廻しとなりますと短いほど良いと言う事になります。
銃身を取り替えはスイングバランスが変わってしまいあまり良好な策とは言えません。

2-1.最高の動バランス、30インチフルチョーク
私は長い間SKBのガス作動のセミオート(通称ガスオート)を使っておりました。主に30インチフルチョークのバレルを使っておりましたが、非常にバランス良好で高い命中率を得る事が出来ました。

2-2.森林では長過ぎる銃は不適
ところがこの銃もカモ撃ちやハト撃ちの広いフィールでは最高なのですが、森の中のシカ撃ちにはその122cmある長さが大問題となりました。(実際にこの銃で撃墜したシカはありません。)

2-3.鳥撃ちと兼用出来る銃にしたい。(これが今の愛銃です。)
長い30インチフルチョークのバランスを保ちながら出来るだけ短銃身をと21インチの銃身の物(フルチョーク)を使ってみましたが、スイングバランスが良くありませんでした。

そこでバレルを24インチのインナーチョーク式としました。特にインナー交換チョークが目的ではなく、銃身を先重にしたかったのです。
結果バレルは30インチフルチョークに比べて100g強軽くなりました。スイングバランスはそれほど変わらないのですが、スナップショットで目標に素早く向けた時の銃口の志向がやや安定しません。又発射時の跳ね上がりもやや大きく次弾の志向性にも問題がありました。

これはフロントにバランサー錘を付ければ改良されると思いました。
先台を止めるネジ部品を大きくし、その中に鉛を入れた物を自作しました。試行錯誤の末約150g増の時にバランスが最良となりました。


      本銃にはSKB1900改スイングマスターと名を付けました。

尚50mで10cmに当てられない多くの普通のスラグ初心者がエゾシカを捕獲しようとするなら絶対にフルチョーク&バックショットの方が圧勝です。
24インチSKBはその意味でも最強です。
本銃はそのまま美味しい鳥である蝦夷雷鳥やマガモ猟に使えるのも魅力です。
又本州巻き狩りにも最も適していると言う事は言うまでもありません。

3.オートとスライドの切り替え式も使いものになりません
ポリスが使ってカッコ良いの理由で人気があるスパス12やベネリのM3等のスライドとオートの兼用銃のお話を少しします。これらは全長では私の辿り着いた改良版に近い物がありますが、レシーバーが重くバランスはかなり劣悪です。

本銃はダブルアクションリボルバーの様に不発だったら或いは回転不良だったらすぐにスライド操作して戦闘を継続出来そうに思うのですが、実はメカが全くそうなってはいないのです。オートをスライドに切り替えるのは専用レバーの切り替えが必要でこれはセーフティーボタンの様にすぐには操作出来ないのです。

ではポリスはなぜM3なのかと言いますと催涙弾やゴム製スラッグ弾等の特殊な弾はオートでは回転しませんので止む無くそう言うメカが必要だったのです。
又彼らのターゲットは素早い野性鳥獣ではなく、また必ずしも敵を死亡させる事も目的ではなく、バックショットをストレート銃身でバラ撒いた方が効果があるのです。
  

Posted by little-ken  at 17:48ハンティング

2010年03月25日

5.各種狩猟の紹介。(狩猟大全集ショットガン編より)

狩猟には散弾銃を使った狩猟以外にもエアーライフルを使った物、ライフル銃を使った物、更には網や罠を使った物もあります。

エアーライフルを使った狩猟は殆んどの鳥猟が対象範囲にあり、1発狙撃のスリル等は散弾銃の躍動感ある狩猟に比べて甲乙付け難い物があります。弾の安いのも魅力です。
しかし空気の断熱膨張を使う原理から弾速は300m/sを超える事は出来ません。

鳥を捕獲する為の殺傷能力は80m位まではありますが、空気抵抗の多い鼓弾を使用する事から弾速低下が著しく20~30mは非常に良く当たりますが、30mを超えると落差補正が難しくなり、50mを超えると横風&向風や彼我の相対位置関係や気温等々の精密補正が必要となり実用性に欠けて来ます。

又飛行する鳥に命中させる事は絶対に不可能ではありませんが、弾速が遅い事や落差補正をしなければいけない事からこれもかなり絶望的です。
難しいから面白いと言う事もありますが、やはり50mまでなら飛鳥射撃も可能な散弾銃、更には弾粒のサイズを換える事により鹿や猪や熊まで対応出来る散弾銃に分があると講師は考えます。本項では主に散弾銃を使った狩猟の紹介を致します。

1.鴨撃ち
その1:デコイ撃ち
冒頭で紹介した鴨撃ちはこのデコイ撃ちです。カモが多く集る所で周辺にもカモが移動するコースがあればなお良好です。池の大きさは必ずしも大きい必要はありません。カモがそこを気に入ってくれる事が大切な要素です。
カモは風下から侵入しますので必ず風向きを確認し事前にカモの飛行コースを観察しておきます。池が大きいとこの進入コースが絞りきれずかえって効率が悪くなります。

進入コースが分かったらそこにデコイを置きます。置く場所はカモが着水するポイント付近が良好です。そのデコイと進入線を結んだ線の両側に射手を一人ずつ置きます。人数が多いとたくさん撃てる確率よりも誰かがカモに発見され逃げられる確率が高くなるだけです。射手は進入側でもデコイの奥でも構いません。体を隠す場所が必要です。無い時は事前に作っておきます。

カモ撃ちを舐めてかかってはいけません。本物のデコイ猟を紹介しましょう。
第1段階。カモは数km先に池がある事を視認します。

第2段階。その池が安全かどうかを確認しながら近寄ってきます。そして異常を感じるとすぐに飛び去ってしまいます。従って数km先のゴマ粒状態で発見しないともうその時点で発見されて近寄ってきません。だからその勝負に負ける様な見張りならしない方がマシです。カモは必ず風下から進入しますのでその進入コースだけを見ていれば良いのです。

第3段階。カモは遠巻きに数回池を廻ります。

第4段階。そして一応安全そうかなと思うと更に高度を低くして数回池を廻ります。

第5段階。ハンターが発見されなければ更に高度を下げて進入します。この頃になると一応射程限界付近ですから撃てない事はありません。しかしまだ警戒をしておりますので速度を落としません。ここで銃を向けるとカモは速度がありますので急上昇をして一気に安全圏に離脱してしまいますから1羽撃墜がやっとです。

第6段階。安全であると分かると今度は速度と高度を落としてもう1度最終確認にやってきます。先ほどよりは高度も速度も低くなるため、この時ならば腕の良いシューターという前提で各人1羽が可能です。しかし本物のハンターならまだ撃ちません。

第7段階。高度と速度を下げても安全であることを確認するといよいよ最終進入です。
今度は速度をしっかり殺し、高度も急速に下げて来ます。いよいよ着水が近くなると今まで体の後方に密着させていた足が出て来ます。高度はもう10m以下です。ここで射撃を開始します。距離は近いし、速度は落ちているのですからもはや射撃そのものはイージーです。撃たれたカモは速度と高度を回復しようと必死に羽ばたきますが翼はむなしく空を切るばかりでその割りに速度も高度も回復しません。やがてカモは連射で次から次へと撃墜されていきます。ここまで引き寄せれば各人ダブル以上も簡単です。


最長30分の勝負と手強いカルガモ達でありました。

その2:忍び撃ち
休み場や餌場にカモがいることが分かったら射程距離まで近寄らなくてはなりません。
ショットガンは優れた銃ですが、射程が僅か30m前後でMax.50m程度です。つまり石を投げても当たりそうな距離まで近寄らないとその効力を発しないのです。ショットガンの狩猟の最大の面白さはここにあります。

カモは視力も聴力も人間より遥かに優れておりますし、何よりも命が掛かっておりますから並の方法では接近出来ません。筆者も経験が少なかった頃あらゆる方法を試しましたが、すべて失敗でした。カモに対する忍び接近は不可能ではないかと思った位でした。

ある時、筆者がこれまでにも何度か接近に失敗している場所にカモがいました。今日はどの様な手法でやって見ようか考えていると先客がいました。猫です。
猫は背を低くし、忍び足で1m位前進し、そこで数十秒じっとしてました。また1m前進しじっとしています。これの繰り返しでした。その場所はカモから30mの所まではまばらですが草があります。しかしそれを過ぎると草は全くありません。

草のある所までは猫ならまず成功するだろうが、その先はいくら猫でも無理だと思いながらカモがいつ飛ぶのかと見てました。
驚いた事に草が無くなってもまだカモは飛びません。それどころか警戒すらしておりません。やがて距離は10mも切りました。カモはまだ警戒しておりません。なんとその猫は2mまで近寄ったではありませんか。

砂浜で背中半分以上がずっと見えているのですからこれには驚きました。2mまで接近に成功した猫は飛び掛かるチャンスを待っています。10分位した時でしょうか。カモが一斉に首を上げたとたん猫が襲い掛かりましたが、わずか数十cmの差でカモは逃げ去りました。
非常の面白いショーを見せてもらいました。背中丸見えでもあんなに近くまで行ける事を猫が証明してくれたのです。私も後日早速この断続接近法で挑戦してみました。成功はしませんでしたが、いつもよりは大幅に接近出来ました。もう少しです。

何回かやっている内にカモは飛ぶ前に何秒か首を高くする事に気が付きました。そこでカモが首を上げたらじっとしている事にしました。5分もすると首はまた元に戻り餌を食べ始めました。そこで私は再び前進しました。首を上げない内は大丈夫です。首が上がるとその警戒が解けるまでじっとしています。それを繰り返している内にまた新しい事を発見しました。徐々に警戒に慣れて来たのかあまり警戒をしなくなり、また警戒の解けるまでの時間も早くなってきました。そんな事を思いながらとうとう30mまで接近に成功しました。

ここですぐに撃たずに更に観察が必要です。カモは餌を食べながら多少は動くので何羽か重なる時があります。よ~し、今度3羽重なったら撃とうと決め、待っていました。まもなく重なります。そこでさっと立ち上がりました。

全てのカモがギョッとした顔でこちらを見ています。そのまま当初に目を付けていた3羽の塊に撃ち込みました。その後は乱戦です。手近かなカモを連射で次々と撃墜していきました。あっと言う間に射撃終了です。
弾込めしながら周りを見ると少なくとも6羽以上います。何羽かはまだ生きていますので止め矢を撃ちました。結果は8羽。1連射で定数(今は5羽で定数)でありました。
こうして忍び接近法は開発されました。

また考えました。接近する時に音が出ない様、そして少しでも姿を見られない様に地形を土木工事をする事にしました。流木を数本置いて見え難くし、音の出易い物も出来るだけ除去しました。また射撃ポイントにも大き目の流木を組合わせて置きました。
この場所はその後5年以上有効でここだけで軽く100羽以上獲らせて頂きました。

その3:その他の鴨の撃ち方
  追い出し撃ち:カモの飛行するコースは意外と決まっており大きな池から追い出すとある
  ルールの下に飛び去ります。その場所に隠密で先に射手を配置してから追い出します。

  踏み出し撃ち:水辺の葦の部分を歩きますと時に逃げ遅れたのが足元から飛び出します。

  船撃ち:ボートで沖合いに休憩している鴨の群れに接近して撃ちます。
  非常にゆっくり螺旋を描く様に接近しないと逃げられます。

如何でしたか。思っていたよりも色々な方法があるのがカモ撃ちです。実戦ではまだまだこれらの変形や組み合わせがありますので手法は無限大にあります。カモの猟場がなく、悩んでおられる方もいると思いますが、日本にカモが渡って来る限り、またすべてのエリアが禁猟にならない限り、カモの猟場は無限にあります。今は見つけ方やその他のやり方がちょっと分らないだけなのです。

鴨撃ちに最適なのはフルチョークに4号クラスと言われていますが、7.5号の方が有効です。


2.キジ撃ち
キジは日本の国鳥です。大陸のキジもアメリカのキジも殆どがオレンジ色のキジであり、緑色のキジは日本を始めとする僅かな地域にしか居ません。

ポインターやセッターの猟犬を使いキジを追い出します。ポインターの名はキジの居る所の数m手前でそこにキジがいますよとポイントするのでその名があります。一方セッターはその時座り込んでそれを示すのでその名が付きました。

よく訓練された猟犬はキジの匂いがあると尻尾の振りが良くなったり態度が変わって来ます。ハンターはそれを見て肩から銃を降ろし準備をします。やがて猟犬はある一角に鼻を向け動かなくなりこれがポイントです。ハンターは地形などを見てキジの飛び出す方向を予測し自分の立つ位置を決め、銃を構えます。多くの人は肩にストックを付けないスキートスタイルです。スタンバイOKとなったら猟犬に合図を送ると猟犬が前進し、大きな羽音と共にキジが空中に踊り出て来ますのでそこを撃ち獲ります。
弾は6号、チョークはインプシリンダーが一般的ですが7.5号でも構いません。

キジは猟犬を使って猟をするのが一般的であすが、猟犬がなくても獲れます。雨の日の朝は遅くまで田んぼで餌を食べていますので簡単に見付ける事が出来ます。この時は距離が遠くなりますのでフルチョークです。
エアーライフルハンターでもこの時であれば捕獲出来ます。


3.キジバト撃ち
キジバトは別名を山鳩とも言い、本来は里山に住んでいました。餌は田んぼで食べる事が多く、ねぐらは山の中でした。今は平地の田んぼで餌を食べ近くの森や林をねぐらにしています。撃ち方としては次の方法があります。

餌場の踏み出し撃ち:
稲刈り後の2番の穂が出ている田んぼで行います。姿は見えなくても1羽いればまずその近くに必ず数羽います。そっと歩いて行くと10~30mで飛び出すしますのでこれをスナップショットで撃ちます。足元から飛び出す事もあれば遠射限界から飛び出す事もあるのでフルチョーク、弾は7.5号が良いと思います。

ねぐら又は休み場で撃つ:
餌を食べ終わると田んぼの近くの林にキジバトが止まりますので、予めその木の下でじっと待ちます。落としてもすぐに拾いに行かず待っていると次から次と来ます。
1度撃つとその群れは近くの他の林に行くので数ヶ所の林を同時に連携して猟をするとあっちで追われ、こっちへ来る。こっちで追われあっちへ行くが繰り返されます。

この猟法の射距離は20~30mが多く、時には10mであり、弾は7.5号、インプシリンダー辺りが適しています。ハトの速度が速いので相当早いスイングで思い切って撃たないと失中します。ハト撃ちは射撃的には結構難しい猟に分類されます。


4.タシギ撃ち
焼き鳥は甚だ美味しく、焼き鳥の王者と言われる鳥です。稲刈り後の水田に多く居ますが、キジバトは乾いた所、タシギは湿った所に居ます。湿った所が近くにあれば乾田に居る事もあり、水深は5cm以下、そんな所が猟場になります。

水田を歩けば10m位の所から飛び立ちます。飛び立ちは低く直線的ですが、10m程飛ぶと急に向きを変え俗に言うジグザグに飛びます。飛び立ち後かなり速やかに撃たなくてはなりません。射距離は20~30m、インプシリンダーに9号が良いと思います。
撃たれ慣れしている場合30m以遠から飛ぶのでフルチョークが必要です。


1986年のある日の猟果。
上段右よりキジ、ハシビロガモ、タシギ、下段中央はキジバト、そしてスズメ。


5.鹿猟
主にビーグル等の洋犬を使い、数人~10人程度が鹿の逃避コースにあるタツマ(待ち場とも或いは立ちとか待ちとか言われる地方もあります。本書では待ちとしております。)で待ち撃ちをします。勢子は一般に猟犬を誘導する係が1人の場合が多い様です。この猟法を理解するにはそのメインである猟犬の特徴と鹿の習性を理解しなければなりません。

洋犬の特徴:起こし鳴き(シカを追出した時に鳴く)や追い鳴きをするのでゲームの進行が分かり易い点が利点としてあげられますが、匂い追跡をするので足があまり速くないのが欠点です。通常は鹿との距離は10分程度ですが、場合によっては30分以上も離れている事もあります。つまり二山も向こうで犬の鳴き声がこちらを向いた時にはシカはすでに近くまで来ている可能性が高いのです。追跡はゆっくりですが、長時間追跡をしてくれます。

シカの習性:本来は昼間行動です。夜間もある程度は行動出来ますが、闇夜の行動は苦手の様です。目も耳も鼻も良く、走る速度も速いのですが、好奇心が強くハンターや猟犬を見極め様とします。その為に猟犬との距離が離れますと立ち止って振り返ったりします。普段は数十m歩くと立ち止り100m先の気配を取って安全を確保してから歩きます。追われると山奥に逃げますがまた元の位置に近い所に戻って来る習性があります。

第1段階:大物猟の朝は見切りと作戦会議。
大物猟の巻き狩りは朝あまり早く始まりません。第一段階は見切りと言いますが、シカがよく通る所の足跡の調査から始まります。分担してそれぞれの場所の足跡の大きさや新しさ、向き等々の情報を集めるのです。

見切りの情報を持ち寄り、そのデータからどの山のどの辺にどんな獲物が何頭入っているのかを予測します。次にその予測が立ったら、誰が何処の待ちに入り、勢子は何処からどの方向に追い出すかを打ち合わせで決めます。

第2段階:配置に付きます。
打ち合わせに基き各自が所定の配置に着きます。連絡には一般的に144Mhzのトランシーバーを使います。配置に着いたらその旨をリーダーに報告を入れます。
山の尾根まで上がる待ちの人もおりますので配置に30分以上掛かる場合もあります。
稀にはこの過程でシカに鉢合せする事もあります。配置に全員が着いた事が確認されますと猟犬が放されます。

第3段階:猟犬が獲物を追い出します。
やがて猟犬が獲物の匂いを発見します。多くの洋犬はこの獲物の僅かな匂いが風に乗って来ると断続的に鳴く様になりますが、これを風鳴きと言います。風鳴きが聞こえると待ちのメンバーはそろそろ追い出すかと気分が高揚するのです。もちろん見込み違いはよくある事で半分位は空振りに終ります。

第4段階:自分の気配を消して鹿を待ちます。
猟犬の特徴の項をもう一度見て下さい。追い鳴きでゲームの進行は分かるのですが、匂い追跡をする為に足が速くないのが洋犬の特徴です。つまり鹿は猟犬が近くに来ると数百mをダッシュし、リードすると立ち止まり、100m先の安全確認が出来ると更に数十m進み、再度安全確認を行ないます。そして安全が確認されれば更に数十m進みます。以後これを繰り返します。なお鹿は比較的見通しの良い所を選んで歩きます。立ち止まる所は少し物陰的な所が多いと思います。

一方待ち場の射手の方から見ますと一般的には森の中で視程は20~30mしかありません。
(通常のショットガンによるバックショットやスラグの射程は20~50mでその意味では不足はありません。実際捕獲時の多くも20m前後です。) 射手は「さあ、何処からでも来い」とばかりに待ち構えています。鹿の側から見ると射手の気配プンプン、この様な状態では射手の100m以上も離れた位置から、あそこにハンターがいる事を鹿が見抜きそっと迂回してしまいます。射手は勝負に負けた事すら気が付きません。

初心者にこの気配を無くせと言っても絶対に無理であり、1番良いのはイビキをかかない程度に居眠りする事です。こうする事により、射手の気配は消え、鹿は当初の獣道を来ますが、射手が気配を振りまいている内は成功の可能性はゼロなのです。
もちろんこの時の射手はなるべく姿を丸出しにしない方が良いのですが、鹿の目は顔の両面に付いており、人間と違い両目で物を見る事をあまりしません。つまり鹿の視力はかなり良いのですが、平面的に見えており且つ色盲に近い様です。

結論的に言えば大きな木にくっついてじっとしていれば半ば丸見えであってもシカには判別出来ない様です。もちろん銃も体に密着させておかなくてはなりませんし、動かして良いのは眼球だけであり、呼吸すら半分程度に控えなければシカに悟られてしまいます。
鹿は自然と違う音や動きに関しましては物凄く敏感です。人間の10~1000倍程度の能力がありますから相当に心して掛からないと何時も鹿の一方勝ちになります。

当初の数回の出会いまでを除き、シカを捕獲出来る確率は0.05頭/日/人前後です。ただこれらとは別にマグレと言う例外も少しあります。
銃は通常インプシリンダーと6粒又は9粒のバックショットが使われますが、フルチョークと27粒の4号バックショット(昔は流通していませんでした)が有効です。


6.猪猟
進め方は殆どシカの巻き狩りと同じです。違う点は主に和犬を使う事と鹿は開けた所を走りますが猪はブッシュを走りますのでやや撃ち難いのが特徴ですがその分射撃距離は近くなり、また鹿は無音で接近して来ますが猪はバリバリ音を出して接近して来ますので気配は取り易いと思います。
猪は鹿の様に山を廻らず一気に隣山に逃げますので足跡調査の見切りをシッカリ行ない、待ちを緊密に張る必要があります。その狩猟形態からガサポンで獲物と間違って仲間や地元の住民を撃ってしまう事故も多く、注意が必要です。

和犬の特徴:匂い追跡もしますが目視追跡の比率が高くなります。風鳴きや追い鳴きをせず、起こし鳴きも僅かです。従って洋犬を使う場合の様に犬の鳴き声でゲームの進行が把握出来ません。足は速いのですが、あまりしぶとく追跡しません。格闘性を持つ犬もありこのタイプの犬を上手く使えば巻き狩りでなく単独猟も可能になりますが、民家の犬を噛み殺したり地元住民を襲ったりトラブルも多く、法律的にも猟犬の格闘性だけを用いた狩猟は禁止されております。

使う銃は何でも良く、一般的にスラグ弾が使われておりますが、射距離に応じたチョークとバックショットの組み合わせの方が良いと思います。よく猟犬が猪に絡んで来る事もあるからバックショットは禁止と言うグループもおりますが、猟犬が絡む時は至近距離でしか撃ちませんのでどんな弾で撃っても結果は同じであまり意味が無いと思います。


7.ウサギ猟
ウサギ猟は鹿猟に似ています。数人のグループでビーグル系の猟犬が不可欠です。
使用する銃に特別必要な要件は無く絞りも何でも良いです。多くは20~30mで撃ちますからインプシリンダーで良く、ウサギは意外と弾に弱いので6~7.5号で充分です。

方法はこれといったウサギの居そうな山に猟犬を放した状態で進みます。やがて猟犬が匂いを取るとメンバーは多少散開します。ウサギは草むらや木の根の影でじっと隠れており、最初の起こしで撃てる可能性があるからです。

やがて猟犬はウサギを追い出し、鳴きながら追跡をします。猟犬の行った方向や地形を判断し、沢筋や尾根筋など獣道が集合する様な場所に我先に陣取りをし、ウサギの帰りを待ちます。基本的には巻狩りですが、鹿猟の様に前もって足跡をチェックする見切りはなく、打ち合わせもない乱戦の巻き狩りです。

ウサギは30分以内、上手く行くと10分で戻って来ます。じっと待っているとやがて足音がカサッカサッと聞こえて来ます。確実に射程までじっと引き寄せれば射撃は難しくありません。ウサギは忍び足で来る事はありませんから鹿ほど気配を消す必要はありませんが、じっと待つ基本は同じです。


8.タヌキ猟
時々、猟犬に追われてタヌキが木に登っています。猟犬の近くに居る勢子しかチャンスはありませんがこうなれば撃つのは簡単です。狸は狸汁が有名ですが、脂肪が非常に臭くノドを通らない程です。調理する時はこの脂肪を全部きれいに外す事です。肉はかなり美味い部類で私は焼肉が好きです。



写真左:1983年三重県大山田村にて。暗い所を逃げる為シカ猟よりやや難しく事故も多い。
写真中:1985年初めて獲ったウサギ。レミントン1100の20ゲージ。
写真左:時々は猟犬に追われ木に登っている狸が獲れる事もある。


9.クマ猟&ヒグマ猟
ヒグマは我が国最大の野性動物で体重は300kgを超えます。かなり凶暴で毎年一般の人が何名かはヒグマにやられており、ハンターとて数年に1人位はヒグマの反撃でやられています。これに対してツキノワグマは半分程度の体重で性質も大人しいと言われておりますが、それでも毎年何名かは大きな怪我を負わされています。

クマは国内最大&最強の対戦相手です。その猟は男のロマンの中のロマンです。
何時かは勝負したい対戦相手ですが、ミスって反撃されても困りますし、半矢のクマが自棄になって暴れたとしたらその責任は大変な事になります。
少なくとも超大物のエゾ鹿を倒せる自信の無い人が勝負を挑むべき相手ではありません。

2007年に筆者が撃ったヒグマ。胴長175cmのメスヒグマ、中の大と言った所です。

これは半矢による事故ではありませんが、ツキノワグマが筆者友人宅の裏口から入って玄関から出て行きました。友人は急いで銃(レミントン870)を取り出し追跡したそうですが、その僅かな間に隣の婆さんは顔を引き裂かれ重症を負ってしまいました。大型のヒグマが死にもの狂いで暴れたらどうなる事でしょう。

岩手の友人宅の裏口から入って玄関に抜けたツキノワグマ。
  

Posted by little-ken  at 17:43ハンティング

2010年03月25日

6.散弾とスラグ弾を如何に当てるか(狩猟大全集チャレンジ編)

実戦に於ける射撃の重要度は5%以下と他項でも書きましたが、これは確かにその通りです。高級銃を持っていても幾ら当てる腕があっても獲物が居なければどうしようもありません。
しかし一方で95%まで上手く進行していても肝心の最後の射撃が決まらなければ勝利はありません。そしてその過程では発砲準備動作が非常に重要である事も随所で触れました。

1.見えている情報はリアルタイムではなく相当古い
ここでは引き金を引くその瞬間に付いてもう一度考えてみたいと思っております。
目標を見て、照準し、決断し、引き金を引く指令を出します。そして引き金が引かれハンマーが落ち、火薬が燃焼し、弾が加速放出されます。

これらは一瞬の内に進行している様に見えますが、意外にも時間が掛かっているのです。
まず目標を見ると言う事を解析します。
光の速さは30万km/sとベラボーに早いので無視出来ます。しかし網膜が光情報に反応し、データが脳に送られ、映像として認識されるには相当な時間が必要です。

見ている情報が意外に古い事を実証する例がライフル銃の狩猟にありますので紹介します。
鹿のウォーキング射撃です。ゆっくり歩いている鹿の急所を狙って銃を止めて撃つと何故かケツの少し後方に着弾します。

鹿の速度を3.6km/h(1m/s)とし、弾の速度は800m/s、射撃距離は80mとします。これらは計算を用意にする為ですが実際もこれに殆んど近くなっております。
鹿に命中するまでの弾の飛行時間は0.1秒、この間に鹿はたった10cmしか移動しません。

見ている情報が全くのリアルタイムでは無いまでも遅くないならば1mも弾はずれません。腹の真ん中かモモに当たる筈ですが、実際は殆んどがケツの後方に着弾します。この1mも弾が後方に外れる事実から、今見ている情報は意外と古く引き金の反応遅れ等と全て合わせると約1秒と言う結論になりました。

2.散弾銃の移動標的射撃
この時間遅れは静止目標が相手の時にはそれ程問題にはなりませんが、動目標に対しては全てこの考えがベースにないと絶対に命中させる事は出来ません。
目標を追い掛け、追い越した瞬間または絶妙な遅れ時間後に引き金を引く射法がスイング射法です。実戦やトラップ射撃に向いている射法と思います。私もこのスイング射法でもっぱら撃っておりますが、この射法が良いと思っている点は次の通りです。

 1.目標を追い越した瞬間に意識が集中しますので引き止りが普通より起き難い事です。
 2.同時に追い越しだけに集中すれば目標との位置関係を再度見たくなる迷い射撃に
   陥らない可能性も高い事です。
 3.射撃距離や目標の移動方向や移動速度の違いに対し、リードの過不足を余り意識
   しないでも命中する点です。ややいい加減な射撃に見えますが、コツさえ掴めば結構
   良い加減の射撃になります。

移動標的を当てる絶対的条件はスイングを止めない事です。言葉では簡単ですが、実行は中々難しく巷の90%以上は引き止り射撃です。

銃身長さを変えるとスイングが変わってリードが合わなくなり失中率が増します。従ってチョークは射撃距離に合わせて換えるのは良い方法と思いますが、銃身長を変えずに同じ銃身にインナーチョークの方がスイングバランスが変わらずに良好です。

3.ライフルやスラグ銃で静止目標射撃
静止時は時間遅れの問題はありませんが、射撃自体がかなり精密でなければ命中しません。
この場合の精密射撃を阻害する要因は3つあります。トップは体が反動を嫌って発射直前に身構え過ぎて照準がずれて発射となるのがフリンチング、2番目は引き金を引く時に銃がぶれてしまうのがガク引きです。3番目が揺れる銃を目標を通るタイミングに引き金を落とせないと言う技術不足です。

サボットスラグ銃の精度や遠射性能はライフル銃には至りませんが、150m以内の鹿を倒す為の性能を有しており、50m射撃では数十mmに弾がまとまります。
しかし現実にはこれが出せる腕前の人はほんの一握りで、一般の初心者が撃つと桁違いの40cm角の標的紙一杯に弾着が散らばってしまいます。
実戦では更に3~10倍に弾着がバラ付きますから鹿の捕獲は絶望的です。

銃と弾は基本的には当たる性能を持っているのですから命中させる為の理論は簡単でとにかく余計な力を入れずに銃だけに撃たせれば良いのです。余計な力を入れるから当たらなくなっているのです。
秘訣は銃をなるべく持たず(左手)、なるべく握らず(右手)、
なるべく当てず(肩)、なるべく引かず(人差し指)で撃つのが理想です。

右手はグリップを握り、且つ引き金を引く重要な働きをします。
右手の構造として引き金を引く人差し指と中指はかなり連動しており、引き金を引くと銃が動いてしまいます。
それを防ぐ為グリップは主に小指で握り薬指を当てる程度とし、中指を完全に遊ばせます
引き金は撃発させる為の最低分の力とストロークを十分把握した上で、人差し指の最先端で一気にトリガーを引きます

実はこの私もスラグ射撃を初めて行った時は50mで40cmの的紙からはみ出しかねない極めて普通のダメ寄りの射手でした。
数年掛けてやっと全弾が10cmに入る様になりました。サボットスラグなら5cm強位になるのでしょうか。
その後何年も掛けて試行錯誤し得られた結論が持たず(左手)、なるべく握らず(右手)、なるべく当てず(肩)、なるべく引かず(人差し指)でした。
私はこの方法をマスターしてから150mワンホールも300mの遠射も可能になりました。

人によって上手くなるまでにはかなり差がありますが、諦めなければ全員が必ずクリア出来ると思います。



  

Posted by little-ken  at 17:39ハンティング

2010年03月25日

7.鴨撃ち鹿撃ちの最適弾粒サイズ(狩猟大全集ショットガン編)

狩猟読本によればカモ撃ちには3~4号、カモの近射でも5~6号、遠射にはBB~2号が最適となっています。散弾銃の総エネルギーは相当なもので2000ft・lbs級のエネルギーを持ってますが、多くのバラ弾に分けられますので1粒としては僅かなパワーしかありません。

これを補うのがパターンであり、複数被弾副次効果なのです。大粒散弾の場合は1粒のエネルギーの大きいのですが、複数効果はあまり期待できません。
もう少し具体的に言えば対象はカルガモクラスとしてBBの1粒は空気銃並みのエネルギーがありますから良い所に1個当てればトンコロです。しかしエアーライフルハンターの方は分かっておられるのですが、少し外れると遥か彼方まで飛んで行ってしまいます。

1粒がまぐれで良い所にヒットした場合もありますが、撃墜には上半身に3粒以上の命中が必要です。筆者は一般の方の100倍近くも鴨を撃つ機会に恵まれ、忍びやデコイ撃ち、害鳥駆除等など約5万発の経験を持っています。
その結果としてカルガモの遠射であっても7.5号が圧倒的に有利であると思っています。

これを数値的に解明して行きたいと思います。
距離と各号数の散弾が鳥に何発命中するのか一覧表にまとめてみました。カモの有効被弾面積は10cm直径としました。これは上半身に当たらないと早期に落ちない為であります。

      各号数の散弾が直径10cmに何粒当たるかの一覧表
散弾号数  直径  何粒/32g 40ヤードフル 40ヤードインプ 50ヤードインプ 50ヤードフル 備考
 BB     4.5     59    0.71     0.51     0.34     0.50
 1      4.0     85    1.02     0.73     0.48     0.71
 2      3.8    102    1.23     0.88     0.58     0.86
 3      3.5    126    1.52     1.08     0.71     1.07
 4      3.3    157    1.89     1.35     0.91     1.32
 5      3.0    200    2.41     1.72     1.14     1.68
 6      2.8    259    3.12     2.23     1.47     2.19
 7      2.5    344    4.14     2.97     1.96     2.90
 7.5     2.4    386    4.65     3.32     2.20     3.25 
 8      2.2    547    5.66     4.05     2.67     3.97
 9      2.0    672    8.09     5.78     3.82     5.67
           アンダーライン部は有効3粒以上の条件を満たす。

1.インプシリンダーの限界
一般に狩猟に最も多く使われているのは26インチインプシリンダーの銃身ですが、インプの場合は7.5号をもってしても40ヤード(36m)が限界なのです。この時4号はたった1.3粒しか当たりません。これで落ちないとは言いませんが確率的には明らかに悪くなる筈です。

2.フルチョークの限界
遠射が目的のフルチョークですから50ヤード(45m)をメインに比較します。7.5号が3.25粒当たってます。ところが6号では2.19粒しか当たりません。毎度申し上げる様に複数被弾2乗効果ですから2粒と3粒は4と9の差になりますので1粒が2倍のパワーを持った大粒散弾でも逆転が起こるのです。

小粒散弾がパワー不足と評価されがちな原因にリードの不足があります。粒が小さくなると弾速の途中低下が大きくなり普通に狙うとリードが不足します。その結果本来のパターンの濃い所ではなく薄い所がヒットします。これではきれいに落ちる筈もありません。
これも経験的に言えば6号で撃った時の遠射に比べてパターン半分弱位のリードを増すと鴨が7.5号のパターンの中心に飛び込んで来ます。

散弾は弾速が遅い為、リードを取ってそこを狙って射撃すると言うよりも弾幕を空中に送りそこに鴨を飛び込ませると言った方が正しいのかも知れません。
小粒散弾になればなるほどこの傾向が高くなります。散弾の号数によってリードが変わると言う事を頭に入れておかなくてはなりません。

3.鹿撃ちにこれを適用すると。(次期狩猟大全集より)
これは大物にも適用されます。鹿の急所は直径30cm、これに殺傷能力の十分ある1粒がヒットすればOKと言う考え方はあります。
直径30cmは表の直径10cmに比べて9倍の面積です。粒数と共に比例計算しました。

散弾号数 直径 何粒/32g 40ヤードフル 40ヤードインプ 50ヤードインプ 50ヤードフル  備考
  BB  4.5mm   59    0.71     0.51     0.34    0.50  直径10cm的
  OO   8.4    09    0.97     0.70     0.47    0.67  直径30cm的
  000   9.1    06    0.65     0.47     0.31    0.46  直径30cm的
4号バック  6.1    27    2.92     2.10     1.40    2.06  直径30cm的

大粒弾は粒数が少なくあまり綺麗なパターンにはなりませんが、確率的には9粒のOOバックでフルチョークでも40ydの36mで0.97発しか当たりません。つまり36m以下で9粒弾をフルチョーク以上の絞ったチョークであるターキーチョーク等で撃てば上半身居3発程度、内1発は急所付近に入る事から捕獲の可能性は高いと言える事になります。

4号バックショットになりますと50ydの45mでもフルチョークならば2粒強が急所付近に上半身には6粒ほど命中する事になり捕獲に必要な条件をバッチリ満たす事になります。
9粒より粒数の少ない弾は余程相性の良いきついチョークで撃たない限りマグレ期待しか出来ないと言う事になります。

鹿撃ちにはノーマルスラグ弾は不向きです。それは普通の射手が撃つと直径30cmに入りません。連射すればますます当たりません。
しかしフルチョーク以上の絞ったチョークと粒数の多い4号バックショットは普通のバード感覚で撃っても又連射しても相当な確率で命中し総合的に十分な有効弾となり得ます。
しかし4号バックは50mまで有効ですが、その後は急速に無力化します。
50mを超えますとサボットスラグで射撃の腕を上げる以外に有効な方法はなくなります。

我がスクールには2009年レベルに50mで5cmにまとめられるサボットスラグの生徒が3名おり、5~10頭程度の撃墜スコアをそれぞれ全員が持っています。
サボットスラグは150mまでの実用性能を持っているのですが、それだけの腕と撃墜経験を持っていてもまだ100mの鹿を倒した生徒は一人もおりません。意外と難しいのです。

注意) OOB等の大粒散弾とフルチョークの組合わせを禁止している銃メーカーもある様です。  

Posted by little-ken  at 17:37ハンティング

2010年03月25日

8.狩猟実戦ドギュメント。(狩猟大全集ショットガン編より)

1.海軍橋の忍び撃ち。4人でオナガガモ32羽。
愛知県豊橋市の一角でWWⅡの頃そこは沖合いの人口島であり、そこに繋がる橋は島が海軍に使われていたので海軍橋と呼ばれておりました。まだ自動銃が5連発でカモの定数が8羽だった頃のお話です。

何時の頃からか片側は埋め立てれ、橋としての機能は無くなっておりましたが、橋の下をくぐる事は出来ました。この場所はカモがよく付く餌場で忍びのテクニックを猫に教えてもらった場所です。
橋の下から水辺までは約70m、最後の30mは草がありませんが、30m地点までは草がほどほどに生えております。すでに音が出ない様に接近する為の草刈とと射撃ポイント等に流木を配置して発見され難い様に土木工事も済ませております。

ここにカモが多く付く事は良く見える場所でもあり誰もが知っていましたが、距離70mでは半矢にすらならない程で、地元の人も知ってはいるけれど誰も撃たない場所でした。
私同様に多くの人が接近にチャレンジした様ですが、誰も成功しませんでした。(地元銃砲店の話)

予ねて調査をし、今日は月に1~2回しかないここの猟に適した日です。予定よりも15分程早く現場に着きました。もうカモが4羽来ています。到着したばかりと見え、まだ岸に寄っては来ません。しばらくはカモも様子を見てます。

やがて10分もした頃、岸に向かって泳ぎ出しました。その頃20羽位の群が新着しました。その後にもう一群れが旋回中です。あれが全て降りるとすでに50羽近くになるはずです。あれが全部岸に寄り始めたら接近開始です。

本日メンバーは私を入れて計4人、他の3人には接近中の注意としてカモを見るな、俺のケツだけ見ていろ。俺が伏せたら即ちに伏せる。前進したら前進である。1m以上離れるなと伝えてあります。
また射撃ポイントに着いてもすぐ撃たないからそれぞれ自分の割り当てエリアの前方で1発目はあそこ、2発目はあそことよく観察しておけと伝えてあります。ただしカモにまともに視線を向けるなと言う事も伝えてあります。

更に射撃開始の合図は無い。俺を見ていろ、俺が構える用意に入ったらみんな同調しろ。その後左右のメンバーに顔を向ける。準備OKかという合図だ。その後俺が前を向いたら3秒目に行動する。全員それを横目で見ながら一斉に立ち上がり射撃に入る。こう言う段取りになっております。

もうここ海軍橋では過去に何度か成功しており、一人で上手く行けば1度も警戒に入られないほどアプローチルートは完璧に仕上がっていました。しかし今日は4人ですから5m進んだら5分休みを繰り返しました。その間ヘタにカモに感付かれない様にカモは見てはなりません。やがて全員が射撃ポイントに着きました。倒木の間からそっと見るとカモはその後大幅に増え、軽く100羽ははいる様です。無警戒で餌を食べていると見えますが、更に5分ほどじっと待ち、一段と警戒が抜ける様にしました。

5分後、ヨシ、行動開始札。左右に目を配りながらゆっくり片ひざを立てる。そして左右を見る、みんなこちらを見ている。では行くぞ。心の中でワン・ツー・スリーのスの時に立ち上がって銃を構えた。横目で見ているとみんな遅れずにやっている。カモはギョッとしてこちらを見ている。

私が発砲するのと0.1~0.2秒遅れて全員が射撃開始。私は当初目を付けていた最初の3羽に1発目を発射、たぶん3羽とも即死、2発目はすぐ右の5羽の塊から少なくとも2羽は落ちた、3発目は更にとなりの塊でここからも少なくとも2羽は落ちた。スリーバーストで秒速3発であるから詳しい事は分からない。4発目以降は手近かなカモを落とした。4発目も5発目も少なくとも1羽が落ちた。これだけでも大戦果です。

1連射終えるとすぐに弾込めをしながら前進し半矢撃ちです。メンバーも半矢撃ちに入った。距離30mですから半数以上は最初の射撃で即死しています。私は最初の5発に加え、その後も止め矢10発を撃って10羽を止めた.彼らの最初の1連射はまずまずであったが、その後の弾込めと半矢撃ちはモタモタして結局は過半を私1人で方付けてしまった。

私の使用銃はSKB1900ガスオート、今日の弾はレミントンRXP‐Hの32gの7.5号です。元々RXPはハイパワーであるが、Hは一段と弾速が速く強力です。他もメンバーも1人がマーリンスライドアクションを使っているが他は似た様な銃でした。
ここは風が向かい風で落としたカモは10分以内に岸に打ち寄せられます。結果は数えてみると偶然ですが32羽、全員分の定数と大戦果でした。

2.底無し沼のデコイ撃ちカルガモ4羽と10分に渡る勝負
デコイ撃ちはオトリ撃ちとも言い、昔はアヒルとカモのアイノコでよく鳴くアイガモをオトリに使ったそうです。現在ではプラスチックでよく出来たオトリが市販されており、これを使います。オトリの数は多いほど有効ですが、当初1ダース購入した私もやがて面倒で6羽になり、3羽になりましたが、結構これでも用を足しています。要は適した場所に配置する事が重要と思われます。

テープでカモの鳴き声を流したり、笛も市販されていますが、これらをしなくても十分獲れる為、私は使用していません。
カモが降りようとする池には水の具合や池自体が目立ち難い所である等々たぶん色々な条件があると思われます。

デコイの配置はカモが降りようとするかなり近くで、且つ撃つ側から考えて都合の良い所にします。デコイの効果は近くを飛ぶカモにもちょっとこの池も対象にしてみようかと思わせたり、どこから進入しようかなと迷う所を進入の幅を狭くする程度の効果ですから、トンチンカンな所に置いても意味は殆どありません。


日の出15分前、デコイをセットする。今日は風が穏やか過ぎるであろうか。

デコイ撃ちドギュメントを一つ紹介します。場所は愛知県田原市、田原1区(現在のトヨタ自動車田原工場の位置)、底無し沼のある猟場です。池は200m位の大きさ、風下の進入側の入り口にデコイを配置します。そして射手はその両側に置きました。

デコイ撃ちはカモがハンターを発見するより前に我々はカモを発見しなければなりません。
2kmほど離れた1つの小さな点を発見した時からゲームは始まります。
発見と同時に相棒にも声で知らせます。この時点なら声はまだOKですがもう動いてはダメなのです。発見した私も相棒もかなりゆっくりと草の中にそっと沈む様に隠れます。

カモが人間を発見するのは肩から頭にかけてのシルエットであり、発見のきっかけは頭を動かす事なのですから特に頭の動きには注意が必要です。
カモの目は相当視力がよく人間の10倍とも100倍とも言われますが、両目で見る事が出来ないので自然の物にくっついてじっとしていれば発見される事はありません。
また視線にはかなりのエネルギーがありますのでまともに向けてはなりません。

カモは真っ直ぐにこちらの池を目指しています。いつもここを休み場にしているカモであろうと思いますがそれは分かりません。
やがてカモはカルガモの4羽である事が分かりました。編隊は高度100m位で安全確認をしているらしく旋回を続けています。

先にも書きました通りカモに直接視線を向けてはなりません。見る場合も草の陰からそっと覗くだけで頭は決して動かしてはなりません。健全なカモの群れはかなりの強敵です。
3回旋回し我々を発見出来なかったカモはやがて高度を下げて更に3回旋回を行いました。カモはもうここに降りる事に決めた様です。今までは主に池の周りの旋回でしたが、今度は進入コースから入って来ます。

フラップを下げ高度と速度を共に落としています。撃てなくはないのですがまだやや遠く且つ速度が速い。カモは高度30mで我々の頭の上を通過し、また羽ばたいて上がって行きました。まだカモの頭に不審な動きは見受けられませんでしたから我々は発見されていない筈です。

大きく旋回したカモは一周して再び進入コースに入った。先程と同じコースだ。そして今回も高度30mで再び上昇をして行きました。何か変だと思っているのかもです。
遥か遠くから射手の居ない時のカモの着水を観察する時はこんなにしぶとく旋回を繰り返す事はありません。しかしやはり我々を発見するまでには至らなくカモの首は動きません。

射手を発見した時のカモは首が急に動き、群れが動揺します。もう1度大きく旋回したカモは先程より最初から低く進入して来ました。たぶん今度は本当に降ります。
フラップは何時もよりきつく出して速度も高度もどんどん落として来ます。高度20mを切った。いよいよ本物だ。まだまだもっと寄せる。やがて高度は10mを切った。フラップを緩め水平飛行になったが羽ばたきはしていない。やがて高度は徐々に下がる。

もう少しで射撃ポイントです。迎え角度45度を超えた。今だっ。肩付けすると共に銃をスイングする。弾が出たのは迎え角度約60度、鴨の飛行高度は5mです。この距離でまともに当てるとバラバラになってしまうのでリードは20cm前にして頭だけに当たる様にします。撃った先頭のカモはクルクル回りながら落ちて来ます。私の頭をかすめて後方2mに落ち様としています。

カモはここまで速度と高度を落とすと離脱しようとしても翼は空をかき速度も高度も上がりません。殆ど同じ感覚で2発目を撃つ。頭上に近かった。命中。これまたクルクル廻って私の後方5mに落ち様としています。
3発目は腰を廻して切り返しながら銃を下にスイングしながら撃つ。45度付近で捕まえた。距離は30m程になっています。直撃の普通リードに合わせ引き金を引く。スイングが右に僅かにブレたらしく右羽を折って風に戻される様に弧を描いて墜落しています。

すかさず弾を込め、墜落の直後に止めを撃ちました。距離は20m。これ以上の被弾をさせない様にパターンを頭側に少し掛かる様に止めを撃つ。1発で決まった。
相棒の方は残念ながらあまりこの猟に慣れてないので1発目は失中、2発目は高度10mで直撃をしてしまった為、弾が入り過ぎ半分バラバラにしてしまいました。
10分に渡る勝負は我々の勝利に終わった。4羽進入、4羽撃墜はまずまずです。


本日の成果。二人分定数の16羽。   

3.初めてシカを倒しました
1990.12.22.三重県大山田村。鹿撃ちを始めて9年目、まだ1頭も倒していません。
6年目の末期の初めてシカを見ました。大きなオスジカでした。しかし見とれて撃てませんでした。7年目には目前10mのシカにも全弾外れてしまいました。そして1シーズンおいて9年目の今日、やっとシカを倒す事が出来ました。

今日もまたダメだろうと思い、最近はもう諦めの心境で気楽に構えられる様になれました。5年間毎週通い続けても見せてもらえたシカは0頭、9年目でも本日までにはまだ2頭しかシカを見ておりません。しかし結果的にはこの諦めの平静心が良かったのです。

何時もの様に待ち場に付き30分ほどじっと待ちました。ふと何かを感じました。顔を上げるとシカ3頭が斜面を駆け降りて来ます。
先頭のやや黒っぽく大きいのには貧弱ながら角があります。銃を一段と握り締めました。(実はこれが良くないのですが、幸い今回は発見されませんでした。)
シカは真っ直ぐに私の方に向って来ます。間もなく50m。やがて30m、銃を構えるとシカは突然横方向に走りを変えました。

銃をスイングしながらバックショットを発射。1発目、倒れません。2発目、3発目も撃ちました。3発目を撃って10歩程走った時、突然ヨタリ出し数歩で倒れました。
待望の1頭目です。倒した旨をトランシーバーで報告するのですが、興奮して上手く喋れません。

少なくとも2発は当たった様です。嬉しくて嬉しくて足が地に着いていない感じでした。リーダーが銃は持ったか、弾は抜いたか、迷子にならない様離れるなと何時に無く細かく言って来ます。やがてその意味が分かりました。

気が付くと前には誰もいません。何処を歩いているのかも分かりません。事細かに色々言っていた意味がやっと分かりました9年も通った道で迷子になってしまったのです。少し戻ると覚えのある所に出ました。皆待っててくれました。やっぱり迷ったかと全員が大爆笑です。何はともあれ1頭を倒しました。

今考えると写真が無いのが実に残念です。最初の内は獲れた時の用意に何時もカメラを持っていたのですが、9年間1度も使いませんでしたので何時の間にか持たなくなっていました。

4.シカを撃墜
2001年の事と思います。愛知県糠田町の小学校の裏山での出来事です。私の待ち場は山裾です。3本の沢筋が合流しており、このどれかをシカが走ってくる予定です。最もそれはこちらの予定でなかなかシカの予定とぴったり合う事は少ないのが現状です。その日は私の待っている山の上で距離にすれば3km程の所からシカが起きました。

これはここを通って川を越え隣山に抜ける公算が強く良い予感がします。さて30分程すると犬の鳴き声の向きが変わりました。シカは状況によって著しく違いますが、犬のすぐ前を走っている時もあれば犬よりも30分も前を走って来る時もあります。とにかく遠くで犬の鳴き声の向きが変わったと言う事はシカがもうかなり近くに来ている可能性もあります。

やがて向山をシカが降りる気配が聞こえました。距離は100m程。姿はまだ見えないがどうも1番下の外側の獣道になる様です。やがて50mを切った頃からシカがチラチラ見えて来ました。大物ではない事は分かりますがオスかメスかはまだ不明です。(当時メスは保護獣) やがて20mを切った。オスだ、小さな角を確認、胸の辺も小さい割に真っ黒です。

シカは真正面から木々を縫いながら時に右に左と交わしながら走って来ます。イージーチャンスの様に思えたのですが初弾を撃った瞬間に鹿が弾を避けました。本当は木を避けたのを私が旧位置を撃ってしまったのです。2発目、距離15m撃った。何とまたもや同様になってしまいました。

残すは1発だけです。今度こそはと思っている内にシカはとうとう真正面5mを切ってしまいました。私は1段低い所にいます。直前で撃とうかそれともやり過ごして後ろから撃とうか迷っている内にシカは私の頭の上の高度2.5mを飛び越えました。
その瞬間スキートの8番射台の様に体が勝手に反応しほぼ真上で撃ちました。命中。
鹿は雑巾の様に後方3mに落下しました。すぐに仲間に撃墜した事を無線で報告を入れます。
命中箇所は前足の間の中央、背中の中心から10cmずれた所に5cm程の出口穴が開いています。弾は6粒弾。チョークはターキーチョークです。最もこの距離ならば何チョークで何号を撃とうがあまり変わりはありません。

高度2.5mは頭の位置、実質銃身の先端から鹿の足の下までは1m以下、これは射撃距離の新記録でもあり、カモ撃ちも含めて最低高度も新記録でもありました。
猟犬は20分程して他のメンバーと相前後して現場にやって来ました。
銃身をシカに蹴飛ばされそうになって撃ったのであったが、「いや~、当たって良かった。」外すと日頃偉そうな事を言っててカッコ悪いもんね。


愛知県額田町にて。銃はレミントン11-87ターキーチョーク、弾は6粒弾を使っていました。


5.K生徒エゾ鹿の超大物捕獲。(2009年度解禁猟のホームページより抜粋)
エゾ鹿は実質国内最大の大物です。特に80cmオーバーの超大物のド迫力は本州鹿と比較になりません。スコア50頭以上のD生徒、100頭超えのO生徒にも高いハードルでしたが、O生徒は130頭目でやっと達成出来ました。それ程のド迫力なのです。

第7組:K生徒。81cm超大物を捕獲サボットスラグでも超大物を倒せる事を証明
本校の超大物捕獲3番目の生徒になりました。実猟3.5日、出会いは19回、81cm、66cm、メス2頭の4頭を捕獲出来ました。彼は銃と狩猟を始めて4年目、北海道猟は昨年休みましたが3年目、撃墜スコアは本年10頭となりました。

11月25日 4チャンスから70cm級に射撃、倒れるも起き上がり逃げられました。
PMからはK生徒が合流、運の良い事に午後だけで出会いが4回ありました。
しかし一度は300mでサボットスラグの彼には遠過ぎでパス、150m前後は2回とも失中、夕方の最後は70cm級に100mのチャンスがありました。1度倒れてバンザイかと思ったら起き上がり逃げられてしまいました。ランニングももちろん撃ちましたが、失中、非常に残念な思いをしました。

大物にはショルダーを撃つ事、そうすれば必ず足が止まってその場に倒れます。しかし数十%は再び起き上がり逃げられてしまいます。しかし倒れている時間は少なくとも10秒以上ありますのでこの間に上半身の何処でも良いから撃ち込めばもう逃げられません。
彼にもこの話はすでに何度もしており、彼もそれを知っていたのですが、やはり命中して倒れると全てを忘れてしまい、その結果は典型的な良くない見本となってしまいました。

11月26日 7チャンス、81cmを捕獲。他は良い所無し。
昨日の午後に続き出会いはたくさんありました。しかしすれた鹿が多く、遠過ぎてパスと、アプローチ中に逃げられて射撃にまで至らない出会いばかりです。
そんな日でしたが、やっと夕方にデメキンに出会えました。このデメキンが何と80cm級、これに30mから射撃、初弾命中、倒れますがまだ足が動いています。今度は超大物に対する注意を忘れず、すかさず第2弾&3弾を撃って完全に仕留めました。

計測すると81cm、今年は何故か80cmでも82cmでもなく81cm4頭のオンパレードです。
338ラプアマグナムのO生徒が11月6日に捕獲、超大物第2号生徒になり、そして本日26日はK生徒が超大物第3号生徒になりました。
81cmはそれ以外にも10月31日と11月20日に講師が捕獲、例年1頭程度しか捕獲出来ない80cmオーバーが今年は4頭も捕獲出来てしまいました。

11月27日 6チャンスからメス2頭を捕獲。しかし大物は尽く失中。
この時期は天候によって鹿の行動が変わり出会いの多い日と少ない日の差が非常に大きいのが特徴です。
昨日の多数の出会いから打って変わって本日のAMは鹿を1頭も見ません。こんな日は極少数が日向ぼっこに出ますが、どうやらそれも無さそうでハンティングベースのすぐそばになってしまいました。ラッキーな事にベースのすぐそばにデメキンメス2頭が日向ぼっこです。これを50mから2頭共を頂く事が出来ました。デメキンは撃たれても残った側は真剣に逃げず、まもなくまた止まります。それを予測していればダブルは容易です。

PMは出会えば大物と言う雄武に遠征しました。雄武だから行けば居るかと言えば全くそうではありませんが、その日の雄武は良く出る日であったらしく夕方まで4回の出会いがありました。1回はアプローチ中に逃げられましたが、80cm級1回と70cm級2回の合計3回は共に100m前後から射撃出来ました。しかし結果は未回収ならまだ良いのですが全てが失中、これは技量の問題ではなく肝の問題です。

11月28日 再び出会いの無い日になり2回のチャンスから66cmを捕獲。
出会いのある日と無い日は本当に極端です。こんな日はやや民家に近い所の鹿しか可能性がありません。と言ってその民家や農家に危険や失礼があってはなりません。幸いそんな所に60cm級が居ました。距離30m、木の陰に隠れています。
しっかり隠れているので逃げません。首の急所だけが僅かに射撃可能です。講師はK生徒にこれを指示、K生徒の放った弾は5cmほどしかない木の間を見事に通り抜け命中です。

PMは出会えば大物の雄武に再び遠征しました。しかし本日は出ない日であるらしく、全く鹿を見ません。そこでAMと同様に民家近くのポイントで危険や失礼の無い所を探します。
雄武で私が知っているこの条件の所が2箇所ありますが、その片方に70cm級が居ました。しかし結果はアプローチが上手く行かず射撃にまで至りませんでした。

K生徒の今年はこれで終わりです。実猟3.5日、出会いは19回、4頭捕獲、失中7回、未回収1回、発砲に至らずが4回、パスが3回でした。
彼は過去3年の経験よりも多くをこの3.5日から勉強出来て、しかも捕獲面でも抜群の内容と充分な量に満足して帰って行きました。


26日、K生徒は変形81cmを捕獲。超大物第3号生徒の誕生。
  

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2010年03月25日

9.エゾ鹿用の銃。(狩猟大全集チャレンジ編より)

スラグがどうしても当たらない人にはフルチョークと4号バックショットのバランスの良い短い普通のリブ銃身の散弾銃がベストでありますが、やはりエゾ鹿にはライフル銃です。
しかしライフル銃の所持までには10年の歳月が必要でそれまでは必然的に対象はサボットスラグ銃になります。実戦のターゲットは100m前後に多いからです。

1-1.エゾシカ猟に使えるサボットスラグ銃の口径は。
サボットスラグ銃にも12番と20番がありますが、初速もエネルギーもショットガンは腔圧で先に限界が来る為に小口径銃が高速になる事はありません。20番はエネルギーが30%前後減少して多少撃ち易くはなりますがその分シカを倒すエネルギーも減少します。

スラグ弾はライフル弾に比べて空気抵抗が大きく遠射時における弾速低下から来るパワー不足が予想されます。近距離ならばエネルギー的にも不足は無くそれ程の不利になりませんが100m超えを考えると12番でないと圧倒的に不利になると思います。

1-2.ボルト、スライド、オート、どれが良いか

     
          SAVEGE M2 12番  


          BROWNING A-BOLT 12番

  
          TAR-HUNT SLUG GUN 20番          


          ミロクMSS-20 20番

銃はボルト式が1番命中率に優れており将来ボルト式ライフル銃の運用を計画している人は絶対ボルト式のスラグ銃にすべきです。現在ボルトアクションとしては本頁の銃が入手可能ですが、12番となると実質サベージオンリーとなります。

ブローニングAボルトの12番は国産のミロク製でありMSS-20と同じ型式なのですが何故か製造中止で中古オンリーとなります。(08年Aボルトが限定再生産かなり高価。) ターハントとミロクMSS20は入手可能ですが20番です。 (ターハントの12番もある様です。)
マガジンは全て箱型2発弾倉の固定式で着脱式は設定がありません。

照準装置は絶対にスコ-プ式が有利、ドットサイト式やホローサイト式よりも映像が明るくクリアーな為です。倍率は4倍固定が安くて視野が広くて有利です。3~9ズームの3倍時より4倍固定は視野が広いからお奨めなのです。

自動式とスライド式はメカニズムが非常に似ておりますが実際の運用は大幅に違ってきます。それはスライド式がスライドを少し引いた半装填での激発事故を防止する為にロック解除装置が付けられている事によります。双方とも廃莢口から1発放り込んでの装填は可能ですが、自動式はボタンを押すだけで装填出来て慣れると同時間内にマガジンにもう1発チャージ出来ますが、スライド式は手を離さないとマガジン装填が出来ませんから緊急時単発連射になってしまいます。
  

          Remigton 11-87&1100(ガスオート)        


          Remigton 870(スライドアクション)

両者の命中精度は特に変わりませんから総合的にオートの方が大幅有利です。もちろん連射時オートの方が有利は言うまでもありません。
この二つの型式はウインチェスター、ベネリ、ベレッタ、ブローニング等々の外国メーカーの他に国産でSKBからもオートが出ております。
現在使っている鳥撃ち用の自動銃と同じ操作で使える点はメリットの一つとしてあげられますが、スラグ銃を撃つ時は特別な練習が必要で散弾と同じ感覚で撃ったとしたらほぼ絶対にシカは獲れませんと言い切れる程に当りません。

1-3.ライフル銃とサボットスラグ銃の比較
精度と遠射能力においてサボットスラグ銃はライフル銃に敵いません。
まずは精度に付いて申し上げますとライフル銃は100mで25mmを保障しているメーカーがあり、私自身がそのクラスの市販ライフルの150mワンホールを経験していますから銃と弾の性能は25mm以下にあると言って良さそうです。

サボットスラグ銃はこれに対して50mで35mmを謳っているメーカーもあり、R生徒は4発を12mmにまとめた事もありますが硬い表現では50mmでしょう。

1-4.北海道出猟にはどの銃を用意したら良いか。
前項までは一般的な事を申し上げましたが、
結論としてサボットスラグ銃で連射はありえません
止まっている鹿にも中々当たらない人が走る鹿に当たる筈など無いからです。

先項に狩猟4年目のK生徒のドギュメントを紹介しましたが、彼は稀に見る素質の持ち主です。普通の人はここまで来るのに彼の2~3倍掛かります。
50mの射撃では3~5cmに全弾のその彼を以ってしても100mの止まっている鹿はまだ1度も成功しておりません。(正確には未回収1回があります)

普通の3年目の平均的な人がサボットスラグで狩猟したら次の様になると予測されます。
25mならたぶん命中。50mはかなり怪しげ。75mはもう失中の確率の方が高く。100mでもうまぐれの確率すら期待出来なく、それ以遠は撃つだけ無駄と言う所です。
私は走る鹿に私は絶対に当ててやろうと思い、頑張って実戦正味100日で約2000発を消費した頃に当たる様になりました。普通に考えれば暇もお金も絶望的です。

北海道のエゾ鹿用に持って来るのは12番のボルトアクション銃、
これに4倍固定のスコープを付け、全長を105cm程度にカットし、
ストックを本人の体形に合わせた銃です。他の型式は考えられません。
サボットスラグ弾は絶対に市販弾の方が良く当たります


バトラーキャップは不要、スリングは車内では不要でポケットに入れておきます。
車の中ではボルトを開け、セーフティを掛け、銃にはカバーを掛けます。カバーはすぐに外せるようにチューニングが必要です。

弾は1発をすぐに入れられる様に何時も右手に持ちます。1発必中ですからマガジンは使いません。又倒れた鹿が起き上がる可能性もある為、数発はすぐに希望の方向で取り出せる様にする必要があります。これを単発連射と言います。
最も必要な練習は発砲準備動作、スコープは構えたらすでに目標が捕らえられていて当たり前にしなければなりません。スコープは照準器で捜索具ではありません。
  

Posted by little-ken  at 17:24ハンティング

2010年03月25日

10.憧れのライフル銃。(次期狩猟大全集より)

ライフル銃は魅力です。平均的射手で下記の様にサボットスラグ銃の約2倍の射程距離が得られます。しかも200mまで落差やその他を無視出来手、本当に上手い射手であれば200mは殆んど外しません。これが本当のライフルの魅力ですが、

         普通サボットスラグ 普通ライフル ベテランライフル  備考
何とか当たる。    25m        50m       200m
多少怪しげ。     50m       100m       250m
かなり怪しげ。    75m       150m       300m
多分失中。      100m       200m       400m
命中しない。     それ以遠     250m       それ以遠。
マグレ無い。      ―         300m        -

実質射程限界はライフル銃が300m程度、サボットは半分の150m程度となります。
しかし何回も申し上げました様にシカの平均的射撃距離は100m程度ですからスラグ銃はライフルに総合的に比べてほんの少々不利と言う程度です。

腕さえ十分であれば実戦でそれ程負ける事はありません。下手な人は何の銃でもあまり変わりません。事実ライフルの下手な人とスラグで上手い人はその猟果で大幅逆転しているのも事実です。
銃が獲るのではなく腕で獲るのであり、当てるのは更に言えばキモと言う事になります。
上手くなるには基本的な積み重ねが必要です。実戦レベルの高い集団に所属して下さい。

射撃場に行くとそれなりに射撃は上手い人がいますが、ライフル銃でmm単位の命中精度は全く不要で重要なのは獲物と対峙した時の平静な心必要なのは速く撃つ事です。
従って高価な銃もスコープも全く不要です。

  
私のライフル銃はサコー75バーミンター改の308、20万円台後半、スコ-プは4万円です。
全長を105cmにカットし、ストックの形状を私に合わせました。口径は308でヒグマをすでに3頭捕獲しており、パワーに不足は無いと思います。
又回転不良やその他のトラブルを考えますと絶対に市販弾に分があります。
マガジンは出来れば着脱式が有利ですが、しかし運用は全て単発連射です。
  

Posted by little-ken  at 17:21ハンティング

2010年03月25日

11.アフリカ猟。(次期狩猟大全集より)



1.今回のナミビア猟の概要
男なら、そしてハンターならば一生に一度は絶対に行きたい所がアフリカ猟です。
私とD生徒は2009年に思い切ってこれにチャレンジする事にしました。
往復に丸4日を費やし現地で狩猟を丸7日、更に帰途が日曜日で出発便が無い為に更に1日の合計12日の旅となりました。(2009.6.26.~7.7.) 

捕獲結果は角長115cmのクドゥ、90cmのオリックス、イボイノシシ、スプリングボックと4種の捕獲に成功しました。またファームの敵であるジャッカルとスプリングヘアー(カンガルーの様な野ウサギ)、2頭と合計では6頭を仕留める事が出来ました。
(D生徒もほぼ同内容ですが、イボイノシシに代りレッドハートビーストを捕獲しました。)

費用は合計78万円/人、現地の支払いが約5300 USドル(送迎、ガイド、快適なロッジ、美味しい食事、ビールとワイン、4頭のゲーム代、1頭失中の罰金、獲物の処理、帰りのリゾート代の全て)に殆んど全てが含まれており、これ以外に必要なお金はチップが300ドル、往復の飛行機代が22万円、お土産代、旅行保険、日本の空港までの往復交通費だけでした。

狩猟の国は南アフリカの左上のナミビアです。首都のウイントフットから車で2.5時間ほどの場所で、ナミビアの上下方向でほぼ中央、隣国ボツワナとの国境近くのカラハリ砂漠の一角のゴバビスと言う所です。
捕獲現場は今は干しあがった川の両側の森で、今回のメインターゲットであるクドゥ数頭の群れ3つ程がこの森にいるのを発見、私とD生徒はその森の両側で群れの移動を待ち受けると言う作戦です。

クドゥはシカよりも牛やカモシカに近い種であり、2種類があります。小さい方はレッサークドゥと言い角長最大で90cm程度、体重も200kg程度です。今回我々がターゲットとしているクドゥはグレータークドゥで成獣の角長は通常最大で150cm程になります。

ワールドレコードは1963年モザンビークで捕獲された187.6cmと言うのがあるそうです。
体重はムースには及びませんがエルククラスで成獣オスは400kgになります。
メスは小柄で角もありません。角は初期の頃は年間25cmほど伸び、4年で角のスパイラルが1.5回転以上の成獣になって来た頃からがトロフィーサイズと言える様になります。


2.角長115cmのクドゥを捕獲
まず私のドギュメントです。分かれてからまもなくすると3頭の群れが来ました。今は木の影をチラチラと見え隠れしながら早足で移動していますが、まもなく視界の開けた場所に出ます。今まで幾つか見た感じで鹿と類似の行動をしますから多分そこで止まる筈です。

すぐに近くの立ち木に依託射撃の準備をしようとしますが適当な枝がありません。
そこで今までやった事は無いのですが、枝に左手の薬指と小指を掛けて親指と人差し指でスコープリングを握って銃を上から吊り下げて体は幹で固定した射撃体勢を取りました。

クドゥ3頭の群れは予定通りに位置で止まりました。最後尾が1番の大物です。
300m強ですが意外と銃の安定は良く行けそうです。真横を向けているクドゥに落差を考え背中の上の線を狙って1発撃ちました。予想より飛行時間が長く感じられ失中したかに見えましたが命中。弾着音は聞こえませんでしたが今回は弾着反応がありました。

しかし群れはそのまま走り去りました。現場まで行くとクドゥが走リ去った足跡はすぐに見付かりました。30mほど行くと地面に血の跡も少しありました。
もう少し行くと今度は立ち木の1.2m程の高さにも血の跡が付いています。血痕の高さからすると胴体の付近ですから何とか行けそうな所に当たっている事が分かりました。

そこから50m程追跡しますと今度は所々で立ち止った痕跡があり苦しそうです。血痕も増えています。これは期待が持てそうです。
更に50m追跡すると突然足跡が乱れてその先10m程の所に倒れていました。命中場所はと見ると心臓を僅かに上方に外れてますが、300mからの射撃を考えると十分に合格点です。


3.続いて103cmのクドゥも捕獲
続いてD生徒側です。私の方に3頭の群れが来てこれに射撃し、3頭は森に姿を消しました。方向としてはD生徒の待っている方向に向かっています。結果的には1頭は途中で倒れて2頭になりました。D生徒は500m位の時に走って来るこの2頭を見付け、地形や獣道等からあそこを通ると感じ、その近くの大きな木の陰でじっと待ちました。

まもなくクドゥは来ました。予想通りのコースです。一段と動かない様にします。これは日本鹿の巻き狩りと同じ感じです。クドゥは150mで彼を視認して立ち止まりました。
心臓狙いで2頭の中の大きい方に照準、すかさず撃てば良かったのですが、外すと罰金ですから慎重を期している内に歩かれてしまいました。

再び止まるのを待ちましたが、これと言った地形も無く止まりそうもありません。遥々ナミビアまで来て撃たないのも心残りです。罰金覚悟でウォーキング射撃をする事にしました。速度は時速5~6kmです。

日頃スクールで言われています。ゆっくり歩いているからと言ってそのまま撃つとケツの後ろに着弾ですから、心臓の延長線上の胸の少し前に狙いを置きそこに到着するであろう予想タイミングで撃つ事にしました。初弾発射、クドゥは何事かと思ったのか一瞬立ち止まっている様です。当たる筈でしたが失中したかと思い急いで次弾を装填し再び狙います。

しかし撃つ直前に再びウォーキングに移られてしまいました。そこで先程と同様の狙いで2発目を発射、それでも先程と同じで一瞬立ち止まって再びウォーキングです。これは大変、罰金かと思いながら3発目を装填して銃を向けるとクドゥが居なくなっていました。

どうした事かとガイドのアレックスを見るとニッコリしながら「コングラチュレーション」、彼の撃ったクドゥは2発目命中後まもなく倒れて背の高い草の陰で見えなくなったのです。弾は2発とも心臓に命中、ガイドも恐らく最初の1発のままでも十分に倒れたと言います。


4.アフリカの凄さと逞しさと神秘さ
この1日前にも似た様な事がありました。私がオリックスに射撃した時も心臓狙いで1発目発射、命中したと思われるのですが少し体の向きを変えただけで動きません。失中したかと急いで2発目でショルダーを撃ちました。これも当たっていると思うのですが今度は全速で走り出しました。結果は2発共が予定通りの命中でその場で倒れても当然と思うのですがそれでも50m先まで走られました。

私が撃ったクドゥ・オリックス・イボイノシシ・スプリングボックの4頭共が本来ならばその場で倒れてもと言う所に命中しましたが全て走られました。一方D生徒の場合はクドゥを除き残り3頭は全て1発で倒れ完全に動けなくなりましたが、何時までも何時までも生きていました。エゾ鹿では被弾時のキョトンも含めてこの様な事はありません。
アフリカの野性動物の凄さと逞しさと神秘さを感じる1コマでした。

今回はD生徒の努力のおかげで愛銃を持ち込めました。弾は何時もの北海道仕様のバーンズトリプルショックの銅弾です。この弾頭はエゾ鹿の超大物の場合で両肩甲骨を撃ち抜くと出口の皮の手前で止まります。エゾ鹿より遥かに大きいオリックスやクドゥの場合は当然体内で弾頭が止まると思ったのですが結果は全て貫通でした。


5.海外スクール
リトルケンハンティングスクールではこの様な海外スクールも希望があれば行います。
費用に付きましては第1回アフリカのナミビア(2009)は78万円でしたが、日本の近年のデフレ状態と違い、アフリカ諸国はインフレです。
現地価格は米ドル表示でこの10年に2倍強になりました。検討される方はこの辺の考慮もして下さい。

第2回海外スクールは2010年ニュージーランドでした。狩猟対象はエルクより僅かに小さい角長99cm赤鹿1頭、ワイルドゴート40頭、有袋類でウサギ大のポッサム6頭、そして水鳥猟の最高峰であるカナダガン残念ながら0羽。全費用は70万円でした。

6.海外猟を目指す方に。
海外には日本には生息しない巨大な獲物が居ます。ハンターならばそして男ならば何時かはこの様な巨大な獲物と勝負して見たいと言う心があって当然です。
しかし夢の海外猟には多額の費用と長い準備期間と日本人に取っては長い休暇が必要です。

この内の技術的準備期間に付いて説明したいと思います。

  1.実際に狩猟方法。
海外で狩猟する場合は日本の銃の経験は必ずしも不要です。しかし実際はそんなに甘いものではなく、実際にナミビア猟では多くが200~300mの射撃になり、今回の私の場合でもメインのクドゥは250mと300mの射撃となり前者は未回収となり罰金となりました。
獲物への接近は忍び
であり、1日に10kmは歩きます。射撃は2脚射撃です。

歩いて息が多少上がっている時に慣れない2脚射撃で300mの遠射にチャレンジしなければならないのです。巻狩りの20m射撃と流し猟の100mしかしない日本人ハンターに取って中々きつい条件です。

  2.料金的構造。
多くの海外狩猟の場合は1頭いくらで獲物を先払いで買い取る事になり、発砲すれば未回収でも失中でも多くの場合はその権利は失います。今回のナミビアでは未回収時にはそれに変わる罰金制度が前記の様に設定されておりました。
つまり1度の射撃に直接1000ドル前後の重さが掛ります。

追加は認められる場合もありますがその場合、最も安いパターンでも再度1000ドルが必要です。
又追加する為にはもう1週間のツアーが義務付けられている場合もあり、この場合もその外国までの飛行機代を除いた全費用の重さが引き金に掛かります。
最も厳しいパターンではライセンスが1年1頭と決められており追加が認められない事も多く、この場合は全工程費用50~100万円の全てがその1回の引き金の重さになります。

従っていきなり高額な獲物にチャレンジしてもまずそのプレッシャーに耐え切れられませんので国内で多くの失敗を含む経験を積み上げて、制約の多いガイド猟も経験されておくと良いと思います。忍びで歩いて息の上がった状態で遠射、これが海外猟の基本です。

  3.10~20年の準備期間。
一口にライフル銃を取得するのに10年、射撃の精度を上げるのに更に10年、この間に並行で大物経験の積み上げが10~20年必要です。
地元オンリーの巻狩り20年では殆んど意味をなしません。
忍び猟と遠射能力が必要です。また稀に出会える様な大物にも平静に対処出来る能力も不可欠です。

従いましてこれは10~20年を掛けた男の一生のロマンになり、40歳以前に始められると良いと思います。これよりスタートが遅れた方はそれなりの上乗せ努力が必要です。
又100万円前後の費用と2週間の遠征期間の捻出にも相当な準備期間が必要かと思います。
私の場合、20代で思い立ち60歳になった今やっと最終章にチャレンジの時期に至りました。

  4.北海道遠征には事前修業は不要です。
余談ながら、大金(海外猟に比べれば少しですが)を掛ける北海道遠征を失敗しない為に地元で事前の修行をしてから北海道に行きたいと言う話をよく聞きますが、これは間違いです。

北海道では2万円弱の登録費で撃ち放題(失敗もやり放題)、実際に平均で毎日約5回もの対戦が可能です。遠征に掛かる金額はやや多目に見えるかも知れませんが、実は1頭当たりの捕獲コストですでに地元巻き狩りより大幅に優れています。
更にそのコストにプラスして期間当たりの効率の良さが地元巻狩りとは2ケタ違いなのです。北海道の1日は本州の1年分に匹敵する程の対戦経験が可能なのです。

つまり発想は逆の方が良く、海外猟だけではなく地元猟を早く上達する為も北海道での修行を最初にもって来た方が良いと思います。(地元猟と初期からの平行が最も効率が良いと思います。)
北海道には世界的にも稀な豊富な出会いがありますのでこれを上手く利用し、短期に多数の捕獲経験や失敗の経験の積み上げが可能であるからです。

大物に対しても冷静に撃てる技術、300mの遠射技術の二つの技術を最も早く身に付けられるのが北海道のガイド猟です。
そしてこの二つの技術は地元巻狩りにも必ずや良い結果を与えるばかりか、世界中の大物猟にも使えるのです。

  

Posted by little-ken  at 17:17ハンティング

2010年03月25日

12.狩猟大全集 (本物)。

狩猟大全集の入門編は如何でございましたか? 
本編はこれから狩猟を始める人、或いは狩猟を始めたばかりの人が主な対象ですが、中級者の方にもお役に立てると思っています。

又狩猟に反対の意見を持っている方にも見て頂きたいと思っています。銃さえあれば野性鳥獣の虐殺が出来ると言うのがとんでもない間違いである事が分かって頂けると思います。
ハンターは全員野性保護派なのです。野性が好きで自然が好きで銃が好きで、そんな人がまじめにかなりの期間努力して初めて野性鳥獣とまともに勝負出来る様になれるのです。

更に本格的に狩猟に取り組みたいと思われる方は本物の狩猟大全集があります。(売り切れました。)
【ショットガン編】【ライフル編】【応用猟編】【チャレンジ編】
の4部構成となっています。          


          
過去にはライフル&ショットガン編350P、応用猟編375Pの2部構成各々3500円で製本した物を限定販売しておりましたが、おかげ様で2009年現在、全てが売り切れとなりました。
今までは出版する事だけに拘わり元々大赤字、印刷実費だけで約3000円になってしまい継続は非常に難しい物となっています。

また何時の日にか再印刷で来る日がくれば幸いに思います。


1.ショットガン編(A4 180頁)。
如何にして散弾銃の射程の30mまでアプローチするか。2秒で定数5羽の鴨の忍び撃ち法や秒速3発の新射法。鴨には空中を飛行するトンネルがあった。命を掛けて学んだ足を濡らさない回収法。鴨のポイント猟。難題が次から次へと解決して行く痛快なドギュメントです。他にも雉や山鳩やタシギの鳥猟、猪&鹿&兎の巻き狩り等々主な国内の狩猟に付いても触れております。主に狩猟人生35年の前半15年の記録でショットガン猟と言うより狩猟の入門書です。主な内容は次の通りです。

昔の散弾銃。 昔の散弾銃の射法。 日本のマタギ。 初期のカモ猟実戦記。 カモ猟あれこれ。
キジ撃ち。 キジバト撃ち。 タシギ撃ち。 ドバト600羽の駆除。 カモの獲り方。 カモ肉の特徴。
カモ撃ち用最適7.5号散弾。 カモの回収法の移り変わりと半矢回収法。 シカの巻き狩り。
ウサギ猟。 散弾銃の射法と上達法。 秒速3発のスリーバースト射法。
本州巻き狩り用ベストガン。 スラグ弾のリロード。 90m落差無視のスラグ銃の0.2秒ゼロイン
1m前を撃つウォーキング射撃。 銃と弾の知識。


ショットガン時代のイメージです。鴨撃ちから鹿撃ちにがメインですが、主な狩猟にもチャレンジしてみました。


2.ライフル編(A4 220頁)。
200m先を走る鹿の命中させる射法、1週間前からの天候や鹿の動きから何処に何時に行けばシカに会えるかを極めたポイント猟の開発、エゾシカの神秘的な謎もかなり分って来ました。最初の1頭に7年も掛かってから100頭撃墜のグレートエースになるまでの主に狩猟人生後半の15年の記録です。
主にライフル猟の書ですがサボットスラグ猟でも十分使える書で主な内容は次の通りです。

ハンティングへの誘い。身近な飛び道具との比較。鹿撃ち実戦小話。紋別の解禁猟約1月。
鹿撃ちの珍事と失敗談。鹿の見え方。エゾ鹿の謎。鹿の見付け方とエネルギー波。
代表的な見え方写真集。北海道エゾ鹿猟あれこれ。エゾ鹿全体像と狩猟と駆除。銃の歴史
火薬と日本の軍用銃の話。狩猟用自動銃。ライフル弾の不思議な特性。走る鹿に命中。
鹿(ライフル)の撃ち方。照準器。大物の肩甲骨狙い。ハンターのリロード。危険なリロード。
美味しいシカ肉。ラスベガスガンショー。二千万円超高級銃メーカー。


数日で1頭捕獲がやっとの時代から毎日2頭を超えるまで色々な事を試しました。


3.応用猟編 (A4 375頁) 。
エゾシカの謎も一段と分って来ました。累計100頭撃墜に至るまでは20年以上を要しましたが今では何と毎日2~3頭、毎年100頭以上の撃墜にまでなりました。人生に不可能は無さそうです。神業的狩猟技術開眼の主に最近5年間の記録です。ヒグマ捕獲&スクール生徒5名のチャレンジの記録も一見の価値があります。エゾシカ猟のバイブルとなる書ですが、他の猟にも仕事にもその考えは流用可能です。主な内容は次の通りです。

ハンティングよ永遠なれ。日本の狩猟。マナーと野蛮人。狩猟者の夢。
ヒグマ勝負ドギュメント。2006年度 出猟記。4生徒の手記。デート猟ドギュメント。
追跡猟ドギュメント。 エゾシカの謎その2。初心者が至らなかった項目。
シカとの勝負の考え方の基本。鹿の一方勝ち。装備品とナイフ。地元巻き狩りグループ。
安全装置の話。銃口の管理。ライフル銃は魔物。愛銃サコー75改。410ゲージと444マーリン
飛ばんシーバー。無煙火薬とセルロイドの話。銃を中心とした世界史。江州國友筒の世界。
ウインチェスター M73。バッファローライフルとアフリカンライフル。
古いカートリッジはどうして細長いのか。世界で1番量産されたAK47。航空機用機関銃の弾
4WD改造車の話。ランクル神話。自然界の掟と人間界のルール。銃は悪いやつか。
少年の夢と50歳のチャレンジ。北海道は世界一のシカ撃ち猟場。
素晴らしい紋別ハンティングエリア。鹿肉の年齢別呼び名。シカのトロフィーの作り方。
日邦工業株式会社見学記。


待望のヒグマも捕獲、鹿の行動もかなり分って来ました。ランニング射撃も一段と決まって来ました。


4.チャレンジ編 (A4 328頁) 。
スラグやライフル初心者が如何にしてエゾシカ猟にチャレンジしたら良いかを筆者の40年の経験を総合的にまとめてみました。またその対照にある猟犬を使った国内巻き狩りもまとめてみました。更には国内最大の大物猟であり誰もが何時の日にかチャレンジしてみたいヒグマ猟に付いても少し書きました。本書はエゾシカ猟と国内大物猟のバイブルです。
主な内容は下記の通りです。

モンゴル丘の猟法と実猟と伝説。ヒグマ撃ちドギュメント3頭分。2007年度出猟記録。
海外迫力のハンティング。大物の迫力。スラグ銃は当たる。実戦倍数。
スラグ専用銃の出現の背景。フリンチングを無くす方法。銃の構え方。
持たず 握らず 当てず 引かず。火薬の燃焼メカニズム。リロードの致命的欠陥。
合法的な車内からの発砲。新米ハンターの射撃必要能力。失敗こそが財産。
サコー75改スイングスペシャル。猟用の銃。各国の軍用弾の歴史。シカの急所。
ヒグマを捕獲する為に。常識外な弾の特性。万能ショットガンスイングマスター。
鹿猟巻き狩りバイブル。超大物の魅力。幻の超々大物。デメキン鹿。
最近の森林コースのシカ。大イノシシとバックショット。西興部猟区とスクールの比較。
暴発の記録。プロハンターの条件。猟犬の話。10頭以上の連続解体が出来るナイフの話。
世界一の北海道。狩猟大国アメリカの狩猟。憧れの海外猟と相場。アラスカの一般猟場。
ある男の世界へのチャレンジの記録:滋賀サファリ。美味しいシカ肉の話。
射撃と撃墜の瞬間。


  

Posted by little-ken  at 17:11ハンティング

2010年03月25日

14.実銃に躊躇いを持っておられる方に(次期狩猟大全集より)

実銃所持には非常に面倒な世界最悪と言えるハードルを越えなくてはなりません。
実際は少し面倒なだけでそれ程ではないのですが、絶望的なハードルがある様に感じておられる方も多いと思います。その為、法的には銃ではないエアーソフトガン等々で我慢している人も多くおられると思います。

実銃がその面倒さを超えてお釣りが出る程の価値のある素晴らしい物である事を以下長くなりますが、説明したいと思います。

1.エアーソフトガンと実銃エアーライフルの精度とパワー
エアーガンは弾速60m/s程度、精度は10mで数cm程度です。
これに対して狩猟用プリチャージ銃は弾速250m/s、精度は50mで数cm程度です。
パワーはMaxで60ft・lbs程度ですが、30ft・lbsとしてもとエアーソフトガン対狩猟用エアーライフルのパワー比は約1:100になります。

精度だけを追及している射撃専用のエアーライフルの場合は10mで10点圏直径0.5mmの的を直径4.5mmの弾で100%カバー出来る精度があります。つまり前と同じ表示で行けば10mでその精度は5mm以内ですが、実際は恐らく1mm以内と思われます。
世界トップクラスの戦いですと60発600点満点の595点台末期で優勝が争われます。

射程限界に対しましてはエアーソフトガンが距離20mになりますと最早かなりバラけてしまいとてもスズメ大の的には当たりません。(スズメ等を撃つのは違法です)
狩猟用のエアーライフルはこれに対して最大で70~80mまで射撃可能(落差や各種の精密補正が必要で相当な難易度になります)で直径5cm強の急所に命中すれば鴨や雉クラスでも捕獲出来ます。

どうですか? エアーソフトガンに比べて100倍の精度とパワーが得られるのが実銃の世界なのです。 如何ですか? もっとこの先を読んでみませんか?

2.銃の所持までの手続きはエアーライフルもショットガンも殆んど同じです
  2-1.プリチャージ式のエアーライフルの欠点と実用遠射性能50m
多くの広告を見ますと近年発売されたプリチャージ銃は昔の空気銃に比べて格段に凄いとありますが決してそう言う事はありません。
筆者が銃の世界に入った時の40年前にもうそう言うハイパワー空気銃はすでに存在しました。その性能は30mの雀の頭だけに命中させる能力があり、命中はまぐれでしたが70mのキジバトに貫通しました。命中はまぐれでも貫通はまぐれではありません。

50mで数cmの集弾性能があるならば直径5cm強の鴨や雉の急所に当てるのはそれ程の難易度ではないと考えがちですが、そうではありません。射撃場は5W1Hがこちらで決められますが実戦はそうではありません。射撃距離も定かでなく速く撃たないと逃げられる等のプレッシャーもあります。結果として射撃場の腕前に比べて3~10倍に弾がバラ付いてしまうのが実戦です。

私もエアーライフルの手軽さ、安価さ、一発必中の魅力に取り付かれこの射撃と狩猟を40年程前に始めました。前記の様に70mのキジバトに命中した事もありましたが、実際には30mを超えますと落差補正が難しくなり実用限界は40m程度でした。
スコープを使いますと銃とスコープの取り付け高さが4cmほど違いますが、これを上手く利用しますと実用限界は50m位まで伸び、これがスコープのメリットの一つとなります。

しかし実際は野性鳥獣に対しては30mまで近寄る事は絶望、50mが限界です。しかも数秒ですぐに動くか逃げ出します。移動標的つまり歩く鳥や飛ぶ鳥に対しても当てられないとは申しませんが実際はまぐれも期待出来ません。
プリチャージ銃には連発と言うメリットがありますが、空気の断熱膨張を使いますので撃つとどんどん機関部が冷えて弾道が変わってしまい、精度も50mで数cmが謳われておりますが速い連射をすればもっと悪くなります。

つまり昔の一発ずつポンプするポンプ式の空気銃の方が命中原理的には優れているのです。更にガッカリする事を言いますと実際は連発のメリットを生かす機会は全くありません。通常誰も撃たない様なよほど遠距離で無い限り獲物は撃てばまず逃げるに決まっているからです。止まっているのに当たらなかったのが逃げる獲物に当たる筈もないからです。

実銃エアーライフルの素晴らしさと限界がお分かり頂けましたでしょうか。
手続きはショットガンも殆んど同じです。ならば弾代(クレー射撃用で40~50円)は上がりますが銃の価格は同程度と言う事でショットガンの精度やパワーに付いてもお話します。

  2-2.ショットガンは弾だけ替えれば小鳥からヒグマまでOK
ショットガンとはショット(バラ弾)を撃つ銃、つまり散弾銃の事です。筆者は昔その発音を聞いて3段銃と思っていました。当時の猟銃は水平2連がメインでしたが、どうして銃身が2本なのに3段なのかと不思議に思っていました。
今のセミオートやスライドアクションの連発銃は法で3発に決められていますから3段と言えなくはありませんが、当時のこれらは5連発でした。

散弾銃はバラ弾が広がって飛びますので照準の甘さや落差補正が少しなら甘くても命中します。また移動標的に対しても未来位置の補正が少し甘くなっても命中させられます。
飛ぶ鳥でも落とせるのが最大のメリットですが万能ではなく、射程距離は20~50mに(散弾の広がり具合はチョークと言う銃身の先端部分の絞りの程度により選択)に限定されます。

散弾銃の弾粒は最も小粒が直径2mmほどで700発ほど入っており、最も大きな粒は18mm程の一粒(形状は球ではなくなります)で、15種類以上の弾が市販されています。
銃は一丁でもチョークと弾の粒サイズを選択する事により小鳥から国内最大のヒグマまで全ての野性鳥獣と勝負出来るのが散弾銃の2番目のメリットです。

また本当に2~3発の連射(速射)が出来る事もメリットの一つです。
散弾銃のパワーは凄じく、通常の鳥撃ち用の狩猟弾で2000ft・lbs程度、獣撃ち用では3000ft・lbs、つまりエアーライフルとは二桁近く大きなパワーがあります。
エアーソフトガンからすれば4桁も違うパワーになります。

しかし射撃法と反動をマスターすればこの鳥撃ちやクレー射撃用の散弾を秒速2~3発で目標にちゃんと狙って撃てるのです。
この様に実戦で鳥に対して実用性があるのはショットガンです。射撃距離は20~50mで空気銃と同等と言えますが、パターンの有効直径が30~60cmありますから飛ぶ鳥に対しても習熟すればと言う前提で実用が十分あります。
筆者も先輩の狩猟を見学してその日の内にショットガン派になってしまいました。

  2-3.50m以上の実戦の世界ではサボットスラグ銃
50m以上の世界は残念ながらエアーライフルもかなり難しく、ショットガンのバラ弾は完全に絶望的、散弾銃で発射出来る1粒弾(スラグ弾)は100m程度までエネルギーを持っていますが精度&落差の問題からこれも限界は50m程度です。
昔ならこれ以降は全てライフルの単独世界になりますが、近年はショットガンに分類されるハーフライフルのサボットスラグ銃があります。(この銃で鳥撃ちは出来ません)

このサボットスラグ銃は落差無視で100m弱、限界で150mの実用性があります。精度はメーカーいわく50mで30mm、実際にも出せなくは無いです。銃は15万円位、スコープは4万円位でそれ程ではありませんが、弾は射撃用は200円、実戦用は600円です。
実戦でエゾ鹿は100m強に居ますからこの銃でも絶望的に不利ではありません。

実用性やその難しさに付きましては9項&10項、及びスクールの近況をご覧下さい。
K生徒、T生徒、昨シーズンのR生徒がショットガンのサベージ12番ボルトアクションです。難しさはありますが、各人が何とか複数の鹿の捕獲には成功しております。

  2-4.実銃の世界は素晴らしく、それなりの価値は十分あります
この様に実銃は所持までのハードルが高いのが難点ですがそれだけの価値はあると見て良いでしょう。
どうせ面倒な手続きであれば筆者はより実用性の高い散弾銃やサボットスラグ銃をお奨めします。幸いどちらにしましても人生設計が傾く程の金額が掛かる訳ではありませんから、思い切って始めてみては如何ですか? やらないで悔いを残すよりもやるべきと筆者は考えます。もしダメであったらその時点で辞めても人生の汚点にはならないと思います。

憧れのライフル銃所持までには10年の装薬銃経験が必要ですが、その第1歩はショットガンからでエアーライフルからでは始まりません。もちろんエアーソフトガンからも始まりません。ダメ元で第1歩を踏み出してみませんか? 
行き先は最寄の警察です。そこに行くとまず担当警察官は頭に来る性格かどうかを試します。色々頭に来る事を言い挑発しますがそれに乗ってはいけません。2~3回それがありますがこれが試練の第1歩ですから耐えて下さい。

散弾銃は飛ぶ鳥をしかもダブル・トリプルで落とせるんです。サボットスラグ銃ではあの超大物エゾ鹿やヒグマが1発でコケるんです。100m先の缶ビールクラスに当てられるんです。更に10年が過ぎますと300mのデカイ鹿すらがコケるんです。
狩猟の喜びは本能を直接刺激します。男の本能には狩猟本能が残っているからです。

3.10~30年後の目標
  3-1.とりあえずライフル銃です。
これに付きましては10項を参照下さい。

  3-2.走っている鹿に当てる。(連射テクニック)
ライフルの弾は3~4km飛びます。1km以上飛んでも十分過ぎる殺傷力が残っています。
走っている鹿にはその未来位置に弾を送り込む事が出来れば十分に捕獲出来る可能性はある筈です。そう思ってかなり鹿に出会える技術が付いた鹿猟を始めて15年程した頃からランニング射撃にチャレンジしました。(スクールでは上級者しか連射チャレンジ出来ません)

当初は筆者も連射に専念出来た方が良かろうとセミオートのH&KのSL7を選びました。
5年程(実猟約100日と2000~3000発)でそれなりの成果を得られランニングも100m程度までの鹿に平均5発程度で倒せるまでになりました。

今は精度と装填音のしない事を重視してサコー75バーミンターを使っています。
サコー75はもちろんボルトアクションですが、驚いた事に使い慣れてみるとセミオートのH&Kの時よりも速く連射出来るのです。

ライフル銃は撃つと反動で銃が跳ね上がり目標がサイトから消えてしまいます。
自動銃は肩に付けた状態で標的を探し直します。目標のあるべき下方向に銃を向け直し、それから目標を捕らえ、スイングを加速して発射と予想外の時間がかかります。

ボルトアクションでは撃ったと同時に肩から降ろして手動装填しながら再度肩に付け直しますが、目と体は目標を追尾しておりますので銃が肩に付いた時には殆んどサイトの中央に捉えられており、微修正とスイング加速を同時に行い発射できるのです。

セミオートの時に比べて時間的にも1.5~2倍位速く、命中精度も2倍位良くなりました。もちろんサコー75は300m遠射も実用的になりました。

H&Kの時には100頭を捕獲するのに600発位が必要でしたが、サコーにしましたら300発以下になりました。
またH&Kでは100mのランニングまででしたが、サコーにしてからは150mも問題なく決められる様になりました。
一昨年の記録から計算しますとランニング中の55頭の平均距離150mの鹿に対して捕獲までが平均2.7発でした。

その手の銃専門雑誌にもボルトアクションの連射はこうするのだと言う感じで肩に付けたままボルトを操作しておりますが、あれは完全に間違いです。そのレポーターは少なくとも連射に関してだけは私より桁違いに技術レベルが低いと思います。

元々銃で狙おうとする所に間違いの原点があり、狙うのは全身で狙うのです。
つまり一度完全に照準が済んで発砲直前の状態から銃だけ降ろし、また銃だけを元に戻すと言う感じです。
発砲を決意した瞬間に体は照準フォームに入り、同時に装填&セーフティを外しながら銃も所定の位置に向かうのです。コンマ数秒で二つは行動を完成し、微修正1秒の後に発砲しますと100mで缶ビールクラスなのです。

銃は指で指す用に銃口を目標に向けて肩にまっすぐ引き寄せますから30m以内の鹿クラスならば肩に付ける前に撃っても十分直径30cmのバイタルゾーンに当たります。
これが究極だとは申しませんが、完成に近付いた一つの状態だと思います。

   3-3.究極の射撃
映画では主役の銃は向けて撃つだけでパカスカ当りますが、あの様な事は可能なのでしょうか? 答えとして普通のベテランでは不可能ですが、それなりの特訓をした人には可能と思います。

思えば私はランニング中の鹿に当てようと思い立ち、色々考えて且つイメージトレーニングを何年にも渡り行いました。そして結果として前にも書きました様に5年間実猟約100日と2000~3000発の実射を経由して当たる様になりました。

この時の当てる為の絶対条件は銃のスイングを止めない事と目標を再確認しない事の二つです。体は・・・、手は・・・、目は・・・、頭は更にその次を予測して・・・とそれぞれが上手く連動出来る様になると射撃だけに限らず神業級の仕事も可能になって来るのです。一朝一夕に出来る事ではありませんが専門の特訓をクリアすれば誰にでも出来る様になります。

元々動物は動く物と言う字で現されている通り、止まっている事もあると言う程度です。
散弾銃はバラ弾をバラ撒くと言う事で動く標的にも当て易くなりました。
しかしこの偉大な発明も射程は50m以内、しかし今や私のライフルは150m前後の走る鹿をそれ程外しません。この150mと言う距離はサボットスラグの遠射限界であり、巷のベテランライフルハンターにとって止まっている鹿に対しても怪しげになり始める距離です。
普通に考えたら止まっているのに外れるかもの距離で走っていたら当たる筈がありません。

オリンピックで金メダルを取ろうとしたらその世界ランキングのコーチが不可欠である様に、高い技術レベルを目指すのであればそれに応じたレベルの高い集団に属するか良い師に付かなければなりません。ここで本人が諦めなければ必ずこの領域に辿り着けます。

300mの遠射、200mのランニング射撃、ショットガンの秒速3発の射撃、技術があれば当てられるのです。あなたもこれを目指してチャレンジしてみませんか? 

その為にはエアーソフトガンの世界だけでは絶対に不可能で、まずは第1歩が必要です。
読者諸氏の第1歩の踏み出しを私リトルケンは待っております。

      

  

Posted by little-ken  at 17:01ハンティング