2013年11月27日
4.各種散弾銃の特徴と筆者の愛銃。(狩猟大全集チャレンジ編)
ショットガンは使用する装弾の粒の大きさとチョーク(又は銃身)を交換すれば50m以下の距離と言う前提で小鳥からヒグマまでの国内の全ての狩猟鳥獣に対して使えます。
ハーフライフル銃身とサボット専用装弾を使えば100mは楽勝、150mも相当な可能性があります。
ショットガンを最初に購入する時、多くの方がどの型式の銃にしようか迷われます。
なぜ迷うかと言えば1丁の銃で全てに使える様にと考えるからです。
結論から言いますとこれはかなり無理な話で全ての用途を向く様にとするならば数丁は避け難いと言う事になります。
一方でこれを扱う人間はそれほど器用ではありませんので相当な訓練をしていないとタイプの違う道具を扱い切れないのも事実です。
1.当たる銃と各型式の比較。
命中率を良くする為には下記の方向にある銃が一般に良く当たります。
1.ある程度長い銃。
2.ある程度重い銃。
3.動標的にはスイングが止まり難い銃。
4.静標的には据わりの良い銃。
1-1.上下2連銃の特徴。
利点:耐久性に優れます。初矢(第1発目)の反動で銃の跳ね上がりが少ない。
銃身が2本有る事により動バランスが良く引き止まりが起き難い。
欠点:2発しか射撃出来ない。やや重い。やや高価となる。
結論として2発しか撃たないクレー射撃用として優れており、狩猟には余り向いておりません。
1-2.水平2連銃の特徴。
利点:軽量である。担ぎ易い。引き金が2本あるタイプは射撃不能になる確率が最も低い。
欠点:2発しか射撃出来ない。反動が強烈である。
結論としてかつては軽量で担ぎ易い事からかつては猟犬を使った鳥猟に使われ、引き金が2本あるタイプは信頼性が高いとして大物猟に好んで使われておりましたが、現在では多くのメーカーが生産中止をしている状態です。
1-3.スライドアクション銃の特徴。
利点:3発撃てる。安価である。特殊部隊が多く使っておりカッコ良い。
欠点:連発操作が難しい。稀に回転不良を起こす。弾が入れ難く且つ抜き難い。
一見全ての用途に使えそうに思え、安価でカッコ良い事(と思われている)もあり近年人気は上がっているのですが、結論として次のオートを含めて4者の中では最もダメな銃なのであります。
なぜダメなのかは後で詳しく説明します。
1-4.セミオート銃の特徴。
利点:3発撃てる。連射に集中出来る。2発装填がスライド式より遥かに早い。
欠点:稀(スライドよりやや少ない)に回転不良を起こす。スライド銃より多少高価である。
回転不猟が欠点に挙げられる事がよくありますが、よく整備しておけば数百発に1回以下であり、スライドアクションよりかえって回転成功率は高いのが本当の所です。
連射時の特性も上下2連銃には少し負けますが他の3者の中では最高です。
もし1丁で全てを済ませたいと思うのであれば絶対にこれにすべきです。
または最初の銃としてはこれにすべきでしょう。
2.どんなスペックにすべきか?
誰が何時決めたのか狩猟用スタンダードは銃身長は26インチ(1インチは25.4mm)、チョークはインプシリンダー(改良平筒)が常識とされておりますが、本当にそうでしょうか?
銃身長は18インチから2インチ飛びに32インチ程度まで各種があります。スラグ銃としては20~24インチ、散弾用として26~30インチの物が多く出回っております。
当たる銃としてはある程度重くて長い銃が引き止りが起き難く良好なのですが、一方で取廻しとなりますと軽く短いほど良いと言う事になります。
銃身の取り替えはスイングバランスが変わってしまいあまり良好な策とは言えません。
2-1.最高の動バランス、30インチフルチョーク。
私は長い間SKBのガス作動のセミオート(通称ガスオート)を使っておりました。主に30インチフルチョークのバレルを使っておりましたが、非常にバランス良好で高い命中率を得る事が出来ました。
2-2.森林では長過ぎる銃は不適。
ところがこの銃もカモ撃ちやハト撃ちの広いフィールでは最高なのですが、森の中のシカ撃ちにはその122cmある全長が大問題となりました。(実際にこの銃で撃墜したシカはありません。)
2-3.鳥撃ちと兼用出来る銃にしたい。(これが現在の筆者の愛銃です。)
長い30インチフルチョークのバランスを保ちながら出来るだけ短銃身をと1時期は21インチの銃身の物(フルチョーク)を使ってみましたが、スイングバランスが良くありませんでした。
そこでバレルを24インチのインナーチョーク式としました。特にインナー交換チョークが目的ではなく、銃身を先重にしたかったのです。
結果バレルは30インチフルチョークに比べて100g強軽くなりました。スイングバランスはそれほど変わらないのですが、スナップショットで目標に素早く向けた時の銃口の志向がやや安定しません。又発射時の跳ね上がりもやや大きく次弾の志向性にも問題がありました。
これはフロントにバランサー錘を付ければ改良されると思いました。
先台を止めるネジ部品を大きくし、その中に鉛を入れた物を自作しました。試行錯誤の末約150g増の時にバランスが最良となりました。
本銃にはSKB1900改スイングマスターと名を付けました。
尚50mで50cmの的紙からはみ出してしまう様な多くのスラグ初心者がエゾシカを捕獲しようとするならフルチョーク&バックショット(27粒の4号バック)の方が圧勝です。
24インチSKB改はその意味でも最強です。
本銃はそのまま美味しい鳥である蝦夷雷鳥やマガモ猟に使えるのも魅力です。
又本州巻き狩りにも最も適していると言う事は言うまでもありません。
3.オートとスライドの切り替え式も使いものになりません。
ポリスが使ってカッコ良いの理由で人気があるスパス12やベネリのM3等のスライドとオートの兼用銃のお話を少しします。これらは全長では私の辿り着いた改良版に近い物がありますが、レシーバーが重くバランスはかなり劣悪です。
本銃はダブルアクションリボルバーの様に不発だったら或いは回転不良だったらすぐにスライド操作して戦闘を継続出来そうに思うのですが、実はメカが全くそうなってはいないのです。オートをスライドに切り替えるのは専用レバーの切り替えが必要でこれはセーフティーボタンの様にすぐには操作出来ないのです。
ではポリスはなぜM3なのかと言いますと催涙弾やゴム製スラッグ弾等の特殊な弾はオートでは回転しませんので止む無くそう言うメカが必要だったのです。
又彼らのターゲットは素早い野性鳥獣ではなく、また必ずしも敵を死亡させる事も目的ではなく、バックショットをストレート銃身でバラ撒いた方が効果があるのです。
4.とりあえず揃える銃 はセミーオートとスコープ付ハーフライフル。
狩猟をメインで使われる方はセミオートの12番口径、24~26インチのリブバレルでインナーチョーク式の銃身を揃えれば、各種の鳥猟、猪や鹿の大物猟(50m以内をバックショットで撃つ場合)、そしてトッラプ射撃、スキート射撃にも使えます。
12番以外は装弾の価格も高く且つ入手性も悪くなります。
クレー射撃をもっと上手くなりたい方は上下2連銃が良いと思います。
セミオートで撃つ時に比べて25発ラウンドで数発の向上が期待出来ます。
50m以遠の鹿を撃とうとされる場合はスコープ付きのハーフライフルの12番が宜しいでしょう。
この場合の型式ですが、10項のエゾシカ用の銃を参照して下さい。
セミオート銃にもハーフライフルの替え銃身もありますが、ハーフライフルを生かす為にはスコープの運用が不可欠です。
スコープ運用にはストックのセッティングが違いますからスコープレスとの共用は良い結果に続ながりません。
またハーフライフルでないバレルでスラグ弾を撃つ場合ですが、余り命中精度が期待出来ずに実用性は50m以下となり、その距離であればバックショットをフルチョークで撃った方が高い効果を期待出来ます。
サボットスラグやスラグ銃を用いた射撃を楽しむ事は可能ですが、反動の凄まじさと弾代が相当高価である事を覚悟しておかなくてはなりません。
(安いスラグ弾で200円/発~安いサボット弾400円/発~エゾ鹿用非鉛サボット弾は700円/発)
凄まじい反動に負けずに命中させると言う事は意外と難しく、当初は100m用標的紙(50cm角)からはみ出してしまう程です。当初第1目標はこれを5cm以内にする事、第2目標として150mで15cm以内にする事です。
最近のエゾ鹿は100~150mに多く居ますので150m15cmが実戦で必要とする精度です。
静止標的に当らないのに動標的に当る筈もありませんからサボットスラグ射撃の連射は考える必要はありません。
ハーフライフル銃身とサボット専用装弾を使えば100mは楽勝、150mも相当な可能性があります。
ショットガンを最初に購入する時、多くの方がどの型式の銃にしようか迷われます。
なぜ迷うかと言えば1丁の銃で全てに使える様にと考えるからです。
結論から言いますとこれはかなり無理な話で全ての用途を向く様にとするならば数丁は避け難いと言う事になります。
一方でこれを扱う人間はそれほど器用ではありませんので相当な訓練をしていないとタイプの違う道具を扱い切れないのも事実です。
1.当たる銃と各型式の比較。
命中率を良くする為には下記の方向にある銃が一般に良く当たります。
1.ある程度長い銃。
2.ある程度重い銃。
3.動標的にはスイングが止まり難い銃。
4.静標的には据わりの良い銃。
1-1.上下2連銃の特徴。
利点:耐久性に優れます。初矢(第1発目)の反動で銃の跳ね上がりが少ない。
銃身が2本有る事により動バランスが良く引き止まりが起き難い。
欠点:2発しか射撃出来ない。やや重い。やや高価となる。
結論として2発しか撃たないクレー射撃用として優れており、狩猟には余り向いておりません。
1-2.水平2連銃の特徴。
利点:軽量である。担ぎ易い。引き金が2本あるタイプは射撃不能になる確率が最も低い。
欠点:2発しか射撃出来ない。反動が強烈である。
結論としてかつては軽量で担ぎ易い事からかつては猟犬を使った鳥猟に使われ、引き金が2本あるタイプは信頼性が高いとして大物猟に好んで使われておりましたが、現在では多くのメーカーが生産中止をしている状態です。
1-3.スライドアクション銃の特徴。
利点:3発撃てる。安価である。特殊部隊が多く使っておりカッコ良い。
欠点:連発操作が難しい。稀に回転不良を起こす。弾が入れ難く且つ抜き難い。
一見全ての用途に使えそうに思え、安価でカッコ良い事(と思われている)もあり近年人気は上がっているのですが、結論として次のオートを含めて4者の中では最もダメな銃なのであります。
なぜダメなのかは後で詳しく説明します。
1-4.セミオート銃の特徴。
利点:3発撃てる。連射に集中出来る。2発装填がスライド式より遥かに早い。
欠点:稀(スライドよりやや少ない)に回転不良を起こす。スライド銃より多少高価である。
回転不猟が欠点に挙げられる事がよくありますが、よく整備しておけば数百発に1回以下であり、スライドアクションよりかえって回転成功率は高いのが本当の所です。
連射時の特性も上下2連銃には少し負けますが他の3者の中では最高です。
もし1丁で全てを済ませたいと思うのであれば絶対にこれにすべきです。
または最初の銃としてはこれにすべきでしょう。
2.どんなスペックにすべきか?
誰が何時決めたのか狩猟用スタンダードは銃身長は26インチ(1インチは25.4mm)、チョークはインプシリンダー(改良平筒)が常識とされておりますが、本当にそうでしょうか?
銃身長は18インチから2インチ飛びに32インチ程度まで各種があります。スラグ銃としては20~24インチ、散弾用として26~30インチの物が多く出回っております。
当たる銃としてはある程度重くて長い銃が引き止りが起き難く良好なのですが、一方で取廻しとなりますと軽く短いほど良いと言う事になります。
銃身の取り替えはスイングバランスが変わってしまいあまり良好な策とは言えません。
2-1.最高の動バランス、30インチフルチョーク。
私は長い間SKBのガス作動のセミオート(通称ガスオート)を使っておりました。主に30インチフルチョークのバレルを使っておりましたが、非常にバランス良好で高い命中率を得る事が出来ました。
2-2.森林では長過ぎる銃は不適。
ところがこの銃もカモ撃ちやハト撃ちの広いフィールでは最高なのですが、森の中のシカ撃ちにはその122cmある全長が大問題となりました。(実際にこの銃で撃墜したシカはありません。)
2-3.鳥撃ちと兼用出来る銃にしたい。(これが現在の筆者の愛銃です。)
長い30インチフルチョークのバランスを保ちながら出来るだけ短銃身をと1時期は21インチの銃身の物(フルチョーク)を使ってみましたが、スイングバランスが良くありませんでした。
そこでバレルを24インチのインナーチョーク式としました。特にインナー交換チョークが目的ではなく、銃身を先重にしたかったのです。
結果バレルは30インチフルチョークに比べて100g強軽くなりました。スイングバランスはそれほど変わらないのですが、スナップショットで目標に素早く向けた時の銃口の志向がやや安定しません。又発射時の跳ね上がりもやや大きく次弾の志向性にも問題がありました。
これはフロントにバランサー錘を付ければ改良されると思いました。
先台を止めるネジ部品を大きくし、その中に鉛を入れた物を自作しました。試行錯誤の末約150g増の時にバランスが最良となりました。
本銃にはSKB1900改スイングマスターと名を付けました。
尚50mで50cmの的紙からはみ出してしまう様な多くのスラグ初心者がエゾシカを捕獲しようとするならフルチョーク&バックショット(27粒の4号バック)の方が圧勝です。
24インチSKB改はその意味でも最強です。
本銃はそのまま美味しい鳥である蝦夷雷鳥やマガモ猟に使えるのも魅力です。
又本州巻き狩りにも最も適していると言う事は言うまでもありません。
3.オートとスライドの切り替え式も使いものになりません。
ポリスが使ってカッコ良いの理由で人気があるスパス12やベネリのM3等のスライドとオートの兼用銃のお話を少しします。これらは全長では私の辿り着いた改良版に近い物がありますが、レシーバーが重くバランスはかなり劣悪です。
本銃はダブルアクションリボルバーの様に不発だったら或いは回転不良だったらすぐにスライド操作して戦闘を継続出来そうに思うのですが、実はメカが全くそうなってはいないのです。オートをスライドに切り替えるのは専用レバーの切り替えが必要でこれはセーフティーボタンの様にすぐには操作出来ないのです。
ではポリスはなぜM3なのかと言いますと催涙弾やゴム製スラッグ弾等の特殊な弾はオートでは回転しませんので止む無くそう言うメカが必要だったのです。
又彼らのターゲットは素早い野性鳥獣ではなく、また必ずしも敵を死亡させる事も目的ではなく、バックショットをストレート銃身でバラ撒いた方が効果があるのです。
4.とりあえず揃える銃 はセミーオートとスコープ付ハーフライフル。
狩猟をメインで使われる方はセミオートの12番口径、24~26インチのリブバレルでインナーチョーク式の銃身を揃えれば、各種の鳥猟、猪や鹿の大物猟(50m以内をバックショットで撃つ場合)、そしてトッラプ射撃、スキート射撃にも使えます。
12番以外は装弾の価格も高く且つ入手性も悪くなります。
クレー射撃をもっと上手くなりたい方は上下2連銃が良いと思います。
セミオートで撃つ時に比べて25発ラウンドで数発の向上が期待出来ます。
50m以遠の鹿を撃とうとされる場合はスコープ付きのハーフライフルの12番が宜しいでしょう。
この場合の型式ですが、10項のエゾシカ用の銃を参照して下さい。
セミオート銃にもハーフライフルの替え銃身もありますが、ハーフライフルを生かす為にはスコープの運用が不可欠です。
スコープ運用にはストックのセッティングが違いますからスコープレスとの共用は良い結果に続ながりません。
またハーフライフルでないバレルでスラグ弾を撃つ場合ですが、余り命中精度が期待出来ずに実用性は50m以下となり、その距離であればバックショットをフルチョークで撃った方が高い効果を期待出来ます。
サボットスラグやスラグ銃を用いた射撃を楽しむ事は可能ですが、反動の凄まじさと弾代が相当高価である事を覚悟しておかなくてはなりません。
(安いスラグ弾で200円/発~安いサボット弾400円/発~エゾ鹿用非鉛サボット弾は700円/発)
凄まじい反動に負けずに命中させると言う事は意外と難しく、当初は100m用標的紙(50cm角)からはみ出してしまう程です。当初第1目標はこれを5cm以内にする事、第2目標として150mで15cm以内にする事です。
最近のエゾ鹿は100~150mに多く居ますので150m15cmが実戦で必要とする精度です。
静止標的に当らないのに動標的に当る筈もありませんからサボットスラグ射撃の連射は考える必要はありません。
御挨拶
狩猟大全集入門編
狩猟大全集 入門編 目次。
1.はじめに。2005年スポーツガンガイドブックより (リトルケン作品)
2.鴨猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)
3.鹿猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)
狩猟大全集入門編
狩猟大全集 入門編 目次。
1.はじめに。2005年スポーツガンガイドブックより (リトルケン作品)
2.鴨猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)
3.鹿猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)
Posted by little-ken
at 15:58
│ハンティング