2013年11月27日

3.鹿猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)

これはグループ猟です。各自が打ち合わせの待ち場に着いた頃、猟犬が離されます。
まもなくシカは猟犬に発見され1度は現場を走り去り猟犬はそれを鳴きながら追跡します。
鹿はその習性から山を大きく1~2度廻り、その後逃げる方向を決定します。
その逃げ道を予測して射手が待つのがこの鹿の巻き狩りです。

射手は立ち木等を背に心の雑念を捨て動かない様にして鹿を待ちます。やがて30分もすると遠くに猟犬の鳴き声が聞こえ始めました。鹿の巻き狩りで1番興奮する時間です。
やがて「カサッカサッ」とかすかな足音が聞こえて来ます。まだシカは見えません。
やがて木々の間から接近して来る鹿が僅かに目に入りました。速足で10~20m歩くと立ち止まり気配を取っています。

2頭です。先頭のはかなりの大物です。少しでも動けば撃つ前に感付かれてしまいます。

本当はそれ程ではないのですが随分長い時間の様に感じます。
もう心臓が口から飛び出そうです。それでもやがて鹿との距離は20mを切りました。
鹿は速足で歩いています。間もなく木々の切れ目に、そこが射撃ポイントです。

今だっ。銃を向けた途端に鹿は全速で走りました。スイングしながら銃を肩に付けると同時に引き金を引く。狭い谷間には銃声が轟き、帰ってくるこだまと更なる連射音が重なりまるで雷鳴の様です。

1発目、命中。鹿は一瞬ビクッとしましたが走る速度は落ちません。2発目も命中、被弾部周辺の毛が一瞬ですが立ちます。やや走行困難になった様です。
3発目も命中、同時に動きが止まりそのまま前方回転に入りました。1回転半で鹿は止まりました。

鹿の動きが止まった頃、向い山から跳ね返った最終弾の銃声が返って来ます。
やった、やりました、見事な3段角です。後方のもう1頭はこの間に方向を変え逃げました。
私の銃はもう弾がありませんので見送ります。
しかし数分後に数百m離れた隣の待ち場でも銃が鳴り、そこで撃ち止められました。

3.鹿猟への招待。(狩猟大全集ショットガン編より)
  1996年12月8日、愛知県額田町の山中にて。(2005年額田町は岡崎市に合併。)






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Posted by little-ken  at 15:59 │ハンティング